ままごと。3

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思っていることを顔に出すのはいけないって思うけど。

やっぱり顔に出ちゃうよ。


今度こそ、私、拗ねてますよ？






翔 「 なんだ。ケーキ、食い足りなかったか？ 」





「 違うよっ。 」






翔 「 ほんとに甘いもん好きだよな。 」






「 だから違うってば！ 」






態度の悪い私を怒りもせず、笑って私の頭をグリグリ。





翔 「 なぁ。

誰にどんなことされるよりもお前にそういう顔されるのが

俺には一番、堪えるんだけど。 」




そう言って私の腰に手を置き、運転席のドアを開けた。




明日までの我慢。少しだけの我慢。


そう思っても離れる時間がやっぱり来てほしくなくて。


少しだけ駅まで遠回りして。




翔 「 まだ雨降ってるから気を付けてな。 」



「 うん。来てくれてありがとう。 」





車を発進させてバックミラーを見ると。


翔くんがポケットに手を突っ込んだまま、

立ち去ることなく見送ってくれていた。


こんなわがままな私を怒りもせず、なんて優しいんだろう。





お父さんと話そう。


どんなに良い人なのか、お父さんにも分かってもらおう。



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