ままごと。

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MAKOさんの、顔に似合わない大きな手。



その手は、サロンのような部屋へ私を導くと

鏡の前に置かれたゆったりとした椅子へ私を座らせた。



おしゃれなメイク用品が綺麗に並べられたワゴンを私の座る椅子の横まで引っ張ると、
コットンを片手に、再び私の顔に触れた。



MAKO 「 メイク落としちゃうから。

もっと綺麗にしてあげる。 」




高級な陶器に触れるように、ゆっくりとコットンを動かすMAKOさん。




MAKO 「 Aの大切にしてるものって何？ 」





強引だったさっきまでの言動が嘘みたいに。

優しく私に問いかける。





「 息子の、陽向です。 」





MAKO 「 そっか。

人ってね、誰でも、大切に思っている分だけ、行動に表れるの。

自分が大切にしてるものは側にいる人もその行動を見て、大事にしてくれる。

Aが陽向を大切に想ってるから、それだけみんなも可愛がってくれるのね。

でも、それはね。自分自身にも、言える事。 」





「 自分自身？ 」





MAKO 「 自分の事を、大した事ないとか、魅力なんてないって過小評価してたら自然と自分を粗末に扱うでしょ。

自分を大切に思えば、毎日は、きっともっともっと輝いてく。

ほら。魚みたいに口開けてんじゃないの！

口閉じて。 」






「 あ、はい！ 」





MAKO 「 自分に魔法をかけるのよ。

鏡を見て、自分にありがとうって言うの。

その瞬間に、外見も内面も美しくなっていくんだから。 」





私がLDHのパンフレットを開いた時、

みんなキラキラしてるって思ったのは。

みんなが自分を大切に思ってるからなのかな。




もし、そうだとしたら。



私だって、考え方１つ変えるだけで、


キラキラ輝ける原石を持っているのかもしれない。



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