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『…と、まぁ散々女の子女の子言ってきたけどそれだけにするつもりなんかなくって。
性別がどうとか関係なく、少しでも多くのひとが生きやすい世界を作りたい。おこがましいかもしれないけどわたしの姿を見てちょっとだけ、明日だけでも頑張ってみよっかなって思えたり、自分に素直になれたり。
そう思ってもらえるような存在になりたい』
正直、わたしに ”普通” は分からない。
学校にまともに通ってた経験なんてみんなとは比べ物にならないくらい少ないし、周りが男の子だらけのこんな環境はわたしにとって当たり前。
だけど、だからといってひとの気持ちが理解出来ないなんて、そんなこと絶対にないと思う。
ひとりで泣いたあの時ほっぺに張り付いたティッシュのくずとか、もうやだって勝手に引き抜いちゃった点滴の針とか。
そういうのを知ってるわたしだから伝えられることがきっとある。
『もしね、これで誰にも受け入れて貰えなかったら今度こそ、終わりにしようと思ってる』
退院が決まった時自分で決めたこと。
わたしが心から思ったその「アイドル」を求めてるひとがいないんだったら、わたしがいる必要なんてない。
ステージにもカメラの前にも、二度と立つことはなくなる。
ほんとうに、最後のチャンス。
颯「っなに言ってんの、？」
震えた、おっきな声が響いた。
驚いて視線を向けるとそこには、手をぎゅって握る颯太の姿。
颯「おれ、Aの気持ちわかんない。
ぜんぶわかりたいけど、Aにしかわかんないこといっぱいあって。
おれは、っ知りたいよ。Aがどんな気持ちでここにいるのか。かってにひとりで大人になんないで。ちゃんとおれも連れてって。
……っだから絶対終わりになんかさせない。おれらが、絶対Aのこと離さない」
あまりに力強い瞳に見つめられて、逸らすことなんて出来なかった。
この子はもう赤ちゃんじゃないのかもしれないなんて馬鹿げたことを考えて。
Aはもう俺らのメンバーなんでしょ
って相変わらずゆるい翔馬の声。
やっと涙が乾いたらしいみんなと初めて、円陣を組んだ。
どうやら、ひとりでは頑張らせてくれないみたい。
ほらA
なんて言われるから張り上げるように出した掛け声。
踏み鳴らした足音。
23人。
もう一度、夢が始まった。
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らら(プロフ) - 香花さん» いえこちらこそです！相変わらずゆっくりの更新ですが楽しんで頂ければと思います。 (2022年1月31日 21時) (
レス) id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - ご丁寧にありがとうございました！無事お話を読むことができました。これからも楽しみにしています。 (2022年1月31日 15時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - 香花さん» コメントありがとうございます 。準備中でしたので鍵をかけておりましたが移行が完了しましたので先ほど公開させて頂きました。このままお楽しみください。 (2022年1月31日 10時) (レス) @page50 id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - はじめまして。お話の続きが読みたいのですが、パスワードのついた作品を読むのが初めてで、どうしたら良いのか分からないので教えていただきたいです。 (2022年1月28日 16時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らら | 作成日時：2021年5月21日 12時
