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翔「…ねぇ、ばかなの？」
そう投げつけられた言葉にムッとしたのも束の間。
伸びてきた手が頬に触れて、親指がそっとわたしの涙を拭った。
翔「そりゃAは女の子だよ、それはAと出会ってから一回も忘れたことない。
性別のせいで色んなことに耐えてきたことも、男っぽくなろうとして色々頑張ってることも、見てれば何だって分かるし知ってる」
『っだったら、』
翔「だったら何なの？だからこそAのこと大事にしたいって思うんじゃん。人として、友達として、……で男として、Aのことが何よりも大切」
翔馬からこんなことを聞いたのは初めてだった。
飄々としてて何考えてんのか分かんないってずっと思ってたから。
だけど仲間としては別ね。
そんな言葉が聞こえた。
翔「仲間として、メンバーとしての優劣とかは無いよ。
……だって俺Aと湧が同時に溺れてたら多分どっちも置いて帰るもん」
まぁどうせ湧がどうにかしてAのことも連れて帰って来るんだろーけど、なんて。
独特な表し方に意味わかんないって思ったけどなんか妙に納得した。
その翔馬らしい空気感に呑まれたのか、なぜか徐々に涙も乾いていく。
それでいいのかって聞かれたら解決にはなってないのかもしれない。
だけど今まで抱えていたもやもやが晴れたことには間違いなくて。
思わずふっと笑うとくしゃくしゃに撫でられた頭。
翔「…それでいーの。なんも気にしなくていい。
Aが戻って来るまでに俺らもさ、もっとでっかくなって、強くなって、何かあったらAのこと守れるようにしとくから。だからさ、」
Aはそのまんまでいいよ、なんて。
…もうせっかく涙引いたのに。
『…じゃあそんときは翔馬、背180ぐらいある？』
そうふざけたように言えば本日二回目のばか、を貰った。
立ち上がってわたしの上半身をぎゅっと包み込む。
ぽんぽんと背中で跳ねる手に、いつだかわたしがレッスン中に熱出したときこんな風にされたなって思い出した。
わたしが勝手に、ひとりになってるつもりでいた。
翔馬は、みんなは、
ずっとわたしのことを見てくれてた。
『ありがと翔馬』
翔「…ばかって言ったのに？」
それは訂正してくれてもいいよ、なんて。
冷え切っていたこの部屋が温もりに満たされるような気がして、背中に回した腕に力を込めた。
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らら(プロフ) - 香花さん» いえこちらこそです！相変わらずゆっくりの更新ですが楽しんで頂ければと思います。 (2022年1月31日 21時) (
レス) id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - ご丁寧にありがとうございました！無事お話を読むことができました。これからも楽しみにしています。 (2022年1月31日 15時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - 香花さん» コメントありがとうございます 。準備中でしたので鍵をかけておりましたが移行が完了しましたので先ほど公開させて頂きました。このままお楽しみください。 (2022年1月31日 10時) (レス) @page50 id: 76512b9a79 (このIDを非表示/違反報告)
香花(プロフ) - はじめまして。お話の続きが読みたいのですが、パスワードのついた作品を読むのが初めてで、どうしたら良いのか分からないので教えていただきたいです。 (2022年1月28日 16時) (レス) id: 2140f828c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らら | 作成日時：2021年5月21日 12時
