29:帰りたい ページ30
「爆豪じゃなくて俺でいいだろ」
そう言って轟くんは私を抱きしめた。
それもお腹に負担が来ないように。
『轟くん、』
や、べぇ、いい匂いがする。えっ、基礎練した後だから汗かいてるよね？なに？なんでこんないい匂いするんだろう。
『どうした轟。赤ちゃんがえりか。ママのところでやってくれママのところで。私はママじゃないぞ』
「ちげぇ。俺は、」
轟くんはそう何かを言いかけたが私から体を離そうとはしなかった。
「なんで俺じゃダメなんだ。」
轟くんのその言葉は爆豪と同じだ。
でも、爆豪と体つきも抱きしめ方も違う。
違う。何かが違う。私の中で何かが足りない。
『轟くん、離して、』
「無理だ。」
『離してお願い･･･ちょ、離せって、おい、離せよ、おい、･･･離せって！！プレゼントマイクがいるんだって下に！！いや硬い硬い硬い！お前は岩か！』
無理やり引っぺがして私はハーハー言ってるのにこいつはまるで何も無かったかのような顔をしやがった。
こいつ天使じゃなくて天使の見た目したただのクマだったみたいなパンダみたいな存在なんじゃないだろうか。
『このパンダ野郎が！ユーの身長と！ミーの身長！違うでしょ！ミツカルゥ！ホカノヒトニィ！』
「どこの日本語覚えたての外国人だ。まだ英語の時間じゃないぞ。」
わかってるわい！
見つかるから離れたわけじゃない。
爆豪と重ねてしまうからだ。
身長も似てる2人。
どうしても重ねてしまう。
『ほら、私の目も治ってきたし教室戻ろう轟くん。そう言えば今回はなんの授業だったっけ。』
「オールマイトが来てくれるんじゃなかったか。確か。」
『おっふ。』
謝りに行かないとね！！轟くん！！！
2人で堂々と教室へ向かう。
「水成。」
『んぁ？』
「さっきの事だが、落ち着いたら考えて欲しい。」
そう言われて立ちすくむ私の先を歩いていく。
轟くんも、あんなこと言うんだな、...
『って、違う違う違う！右だっつの！数秒前に言ったよね私！！お前耳鼻科いけや！！』
「俺の感覚に狂いはない。が、右みてぇだな。」
『ねえなんの本読んだの？なにかに影響されてるよね？』
こんなに彼と会話しているのに思い浮かぶのはあいつの事ばっかだった。
別れた相手のことばかり浮かんでくる。
「馬鹿だろお前。素直だけが取り柄だろうが」
思い出の中の爆豪は顔をくしゃくしゃにして楽しそうに笑っていた。
ああ、痛い。
30:失礼だなこいつ→←28:ﾌﾟﾙｽｳﾙﾄﾙｧｱｱｱｱｱｱｱ
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たら - 小学生の子かっこよすぎ。結婚しよう (2021年8月12日 21時) (
レス) id: 979f7d7a59 (このIDを非表示/違反報告)
れふる(プロフ) - とても素敵な作品で大好きです！！続編待ってます！！ (2020年4月10日 15時) (レス) id: f89108791d (このIDを非表示/違反報告)
マイ - めちゃ感動した。やばい神すぎる神に改名したまえ (2020年4月9日 10時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 本当まじ感動しました！めっちゃキュンキュンする〜！！神作書いてくださって本当にありがとうございます！！ (2020年4月7日 23時) (レス) id: 5ed857011f (このIDを非表示/違反報告)
紺 - 素敵でした (2020年3月12日 12時) (レス) id: 70df13c73f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日�� | 作成日時：2020年1月8日 23時
