鬼さん二十九人 ページ31
[今から行こうか…仕事手伝ってあげに。]
[それはありがてぇ……仕事が溜まってんだよ。]
疲れ果てた顔で阿伏兎が話す。
阿伏兎は苦労性みたいだな……。
[おつかれ様阿伏兎…手伝いに行く。]
[えぇー!遊びに来るんじゃないの?]
[神威の仕事見たいな…。]
[よし、阿伏兎仕事しに行こう。]
神威の豹変っぷりに目を見開く阿伏兎…神威って普段どんだけ仕事しないんだ……。
[有難うA…あんなに仕事にやる気のある団長久しぶりに見たぜ……。]
[これで仕事捗ると良いな。]
[全くだ……。]
あれ、お客さん……?森の入口に居る男の人……。
[阿伏兎…ちょっと待っててくれる?]
[どうしたんだ?]
[あれ、俺のお客さんかも知れないから。]
狐面を付け…男の人の傍へと行くと。
[死神様……坂田Aという人を探して下さい…俺の、兄貴なのです。]
[コタ……?]
この声、少し低くなったけど…コタの声だ……。
[あ、兄貴?死神様は兄貴なのですか!?]
[コタこそ、幾ら人が来ないとは言え……危ないだろ?……二日後万事屋に居な?俺行くから……待っててな。]
役人が来たので阿伏兎と元へ帰る。
[阿伏兎行こう……俺は役人に見つかると面倒なんだ。]
阿伏兎は察してくれたのか頷き走るぞとだけ言い走り出した……。
それに俺は着いて行く。
春雨の船に着くと……神威が待っていた。
[遅いよね、早く!]
お怒りのようで……。
それからの仕事は簡単な物ばかりだったが…神威は真剣に取り組んで早く片付いた。
[神威が仕事してる所は案外格好良いよな、戦闘も格好良いけど…。]
そう言うと真っ赤になる神威…慣れてないのか……意外だわー。
[阿伏兎は慣れてるから流石って感じか……うん、また見に来る……。]
ふっと笑えばさらに顔を赤くする神威と照れ臭そうに頭を搔く阿伏兎……。
船を出て思った……俺って男に好かれやすいのか?俺の顔は女みたいか?んぅー……良く分からん!
[やっぱ……好き……だょ……なぁ。]
[え?好き?誰がです?]
変な所だけ聞いてしまった松陽、Aは誰かを好きとか一切言ってません!
正確には……。
[やっぱり好きとか言われても分かんないんだよなぁ……。]
である。
[んー?あれ、松陽さん……そんな所で何してるんです?]
電柱に隠れている松陽さん……いつの間に?
[Aは、誰が好きなんです!?]
は?
[……は?何言ってんです松陽さん。]
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作者名:shell | 作成日時:2019年3月19日 18時