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鬼さん二十人 ページ22

[……何で逃げなかった?]

[逆に……助かる命があるのに何故逃げる?]

[……お前……馬鹿なんだな。]

え、何こいつうぜぇ!!

[倒れてきたのお前な……。]

[傷がねェのは何でだ?]

[俺が治しただけだけど?]
こいつ話逸らしやがって……しかも聞いといて有り得ねぇだろ何言ってんだこいつ的な顔しやがって。

[あのねェ……再生能力ってのが俺にはあって、例えば…そのボロボロになった木刀貸して。]

土方から木刀を受け取り元に戻れと念じる。
すると刃は元の様に綺麗に戻った。

[な?こんな感じだ……それが傷にも使えるってだけ。]

[すげぇな……治せるのはどこまで治せるんだ?]

[物なんかは半分以下が無いと直せない…でも、その折れたりした物が全部あるなら直せる
体の傷は、腕が落ちても治せるには治せるが動かす事は出来るかわからない……心臓が貫かれても治せる。]
俺のこの力は色々難しいのだ……後まだ出来るか分からないものもある、死んだ人間は治せない……つまり生き返らせれない…心臓を貫いても死ぬ前に治せば良い……神経まで治せるかどうかってとこだ。

[難しいな……おい坂田…お前これからどこ行くんだ。]

え、唐突だね?

[決まって無いんだよねェ……ふらふら戦いながら決めるよ。]

え、何モジモジしてるの?気持ち悪いんですけど…。

[もし良ければ何だが一緒に行かねぇか?]

[どこに?]

[分からねぇ……。]

[えぇ……まぁいいよ…行こう土方。]

そして歩いていると土方から色々な話を聞いた……下の名前は十四郎だとか……バラガキって呼ばれてるとか、自分を庇って失明した人が居るとか。

[へぇー……そんな事が…土方……いや、トシはその人の事慕ってたんだ。]

[あぁ……。]

[俺のせい?それは違うでしょーよ……その人が守りたくて守ったのがトシなだけ、自分を責める必要はないと思うけど?]
鉄紺……悲しみ…か。

[たが……。]

[悲しむより……感謝して生きろよ、後悔よりごめんって謝るより!有難うって言える様になれ!]

[坂田……。]

[うじうじしやがって……そんな事でへこむな…この世には元から家族が居ない奴だって居る、唯一の家族が目の前で殺された人だって居んだよ。]

[……すまねぇ…。]

[だぁあー!ったく……こういうのは嫌いなんだよ。]
ってかここら辺平和だな…敵が居ねぇ。

[あ、なぁ坂田お前の下の名前は?]

[……Aだけど……、あ、人。]
誰だアレ。

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作者名:shell | 作成日時:2019年3月19日 18時

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