ミステリアスなお兄様。

連絡。 ページ35

仕事用のスマホを見ていると着信が入る…見ると知らない番号からだった。

変声期で声を変えるまぁ自分でも変えられるが電話の場合は楽なのだ。

［…はい、どなたでしょうか。］

［あ、あの。］

そう聞こえて来たのは懐かしい大切な弟の声だった。

裕也［チシャ猫さんで宜しいですかね？］

［えぇ…そうですが……貴方は？］

裕也［警視庁の風見と申します、依頼がありまして。］

［ほぅ…？直接会いたいと？］

裕也［はい、漏洩があっては困りますから。］

［そうですね、では明日の午前三時に“dhi-rire”と言うお店に来て下さい…私の目印は黒と青のシャツとネクタイです…では失礼。］

裕也［え、あ、あの！］

スマホの電源を落としソファに投げる。
変声期のスイッチを切り外して棚にしまう。

今は21時…東都に行くのにはバイクか……間に合うよな？直ぐに支度を済ませバイクの鍵と財布スマホを鞄に詰める、バイクに跨る。

［…よし、行ってきます。］

バイクを飛ばし高速に乗る。

東都に着いたのは午前二時四十分…dhi-rire迄は約十分…。

［またギリギリか…急げ…。］

dhi-rireは良く依頼の引き受けで使うBARなのだが働いていた所とは関係ない…因みにバレたら不味いので変装している。

格好は黒のシャツとコート…サファイアブルーのネクタイに黒のスキニーだ。
銃は一丁だけ持っている…前にジン様から護身用にと貰ったものだ。

容姿は黒髪にむウイスタリアと言う紫のインナーカラー…糸目にして笑顔を絶やさない。

声は少し高く…だが全く元とは違う感じの声だ。

dhi-rireに入りお酒を頼む。

［マスター…オリンピック頼めますか？］

Ｍaster［畏まりました。］

少し待つと裕也と零が来た…丁度お酒も来たようだ…飲酒運転だって？まぁまぁ、今日はこっちに泊まるよ…近くにホテルがあるんでね。

オリンピックはカクテルだがこのカクテルに隠された言葉は”待ち焦がれた再会“

［やぁ…風見さんと……？］

降谷［降谷です、初めまして。］

［初めまして…降谷さん。］

カクテルに口を付ける、ふわっと香るオレンジの香り……何となく頼んでみたが美味しいな…。

風見［で、依頼なんですが。］

［まぁまぁ、そう急がないで下さいよ…。］

降谷［…生憎此方も忙しくて、貴方に時間を割いている暇は無いんですよ……。］

［おや…ツレナイ……。］

風見［…で、この方の事を調べて欲しいんです。］

そう言って裕也が見せて来たのは私の写真だった。

［この方は？］

ずっと探していた人。→←お久し振りです。

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