ミステリアスなお兄様。

BARでの仕事。 ページ12

身バレ防止の為の偽名と言う訳、だからマスターも名前を知らないお互いに……バイトもお酒の知識があるってだけで採用…即座に偽名考案だった。

［いらっしゃいませ……お好きな席へどうぞ。］

お客様［あれ、フィズ君…マスターは？］

［マスターは今席を外しておりまして、少しで戻って来るとの事でしたが…何か御用でしたか？］

お客様［いや、フィズ君だけなの珍しいと思ってね……あ、フィズ君の好きなお酒頂戴。］

［そうですか、私の好きなお酒ですか？少し刺激が弱いかもしれませんが宜しいですか？］

お客様［構わないよ…フィズ君の好きなお酒が知りたくてね。］

［では、お待ち下さい。］

スっとお客様に出したのは。

［どうぞ、ジン･フィズです。］

お客様［君の名前の由来かな？］

［えぇ…ジンを使ったお酒が好きな物で、お口に合うといいのですが。］

お客様［……美味しいよ、フィズ君は入ったばかりなのに美味しいお酒を作るね。］

［お褒めいただき光栄です…ですがまだマスターには敵いませんので。］

お客様［ははっ！マスターは強いぞー？頑張ってねフィズ君。］

［はい、あ…いらっしゃいませお好きな席へどうぞ。］

お客様2［お！フィズ君！こんばんわ、コザック頼めるかな？］

［こんばんわ、かしこまりました。］

お客様にコザックをお出ししグラスを磨く。

お客様2［フィズ君、聞いてよ…友人がさ仕事とかでも先を行っててさぁー俺が仕事が遅いみたいに言われるんだよー。］

［だからコザックですか……強敵…大丈夫ですよ貴方なりに頑張っている方が私はかっこいいと思いますよ。］

お客様2［本当に！？］

［はい、何でも出来る人より出来ないからこそ頑張ってる人の方が私はかっこいいと思います…何でも出来たら少し怖いじゃないですか。］

お客様［確かにねー、何でも出来たら怖いよね。］

お客様2［確かに……そっかー俺は俺でいいのか。］

［はい、ですので落ち込まないで下さいね。］

お客様2［スッキリしたよ、ありがとうフィズ君。］

［いいえ、私は何もしていないです…自分で答えを出したのは山田様ですから。］

お客様2［フィズ君……フィズ君って何時も俺達より大人だね…。］

［そうでしょうか…積み重ねは少ないですよ。］

ﾏｽﾀｰ［帰ったよ…あぁ、山田様に寺内様……いらっしゃいませ。］

寺内様［やぁ、マスター。］

山田様［マスター、フィズ君また腕上げたね。］

ﾏｽﾀｰ［越されそうで怖いですね…私も腕を磨かなければ。］

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