こあくま ページ24
「では、わたしはここで」
食べ終わって、わたしと莉犬くんは店を出た。
よし、さっさと帰ろう。今日は夜、バイトだから、それまでに掃除して・・・。
「え〰！もうお別れ！？デートしようよ！」
何を言ってるんだろう、この人は。
「しませんよ。わたしやる事があるんで」
「じゃあ、連絡先交換しよー！」
「い・や、です。さようなら！」
連絡先なんて交換したら、絶対また会うことになるに決まってる。
今日の事は、偶然推しに会って一緒に食事して楽しんだ。という思い出にしたい。
(莉犬くんは食べたばっかりでお腹いっぱいだったから、ずーっと喋ってただけだけど)
「天野ちゃん、ひどい・・・」
莉犬くんを置いてさっさと家へ帰っていると、後ろからか弱い声が聞こえた。
・・・ん？
「俺、善意で奢ったり仲良くしようとしてるのに・・・。さっきから冷たくて全然目も合わせてくれないし。泣いちゃいそう・・・」
慌てて振り向くと、莉犬くんが手を口元に当てて、上目遣いでこちらをみていた。
その姿はまるで、犬が捨てられていくかのよう。
人間のはずの彼にはケモミミとしっぽが生えているように見えた。
ぐっ・・・。
可愛い・・・！
所詮、わたしはリスナー。
莉犬くんのあざとい攻撃ですぐやられてしまった。(ちょろい)
「・・・こちら、わたしのラインのバーコードです」
すっと莉犬くんのところに戻り、スマホを差し出した。
莉犬くんはぱあっと笑顔になり、嬉しそうに自分のスマホをかざしていた。
絶対こいつちょろいって思ってただろうな〰・・・。
ぐぬぬって言いたい気分をぐっとこらえる。
「へ〰！君、Aちゃんっていうんだ！」
「え？・・・あ！」
しまった。ラインのプロフィールの名前！
思い切り名前にしてた。
あああ。なんだか恥ずかしい。
彼の手の平で転がされている！
わたしがショックを受けていると、莉犬くんが急にわたしの顔を覗き込んだ。
「・・・君、可愛いね。からかうの、楽しい」
「なっ、ちょっ、」
「また会ってくれると嬉しいな」
莉犬くんはぼそっと耳元でつぶやくと、わたしの頭をぽんっと軽く叩いた。
・・・。
あ、あのひと・・・。
「・・・小悪魔だ」
天使の顔をした小悪魔と、連絡先を交換してしまった・・・。
「神様、助けてください」
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いたる(プロフ) - ゆず胡椒さん» ありがとうございますぅぅぅ！続編ぜひチェックしてください！ (2021年6月27日 19時) (
レス) id: 2538ecda96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず胡椒 - めっちゃ面白い〜！楽しみにしてます！ (2021年6月27日 13時) (レス) id: 042a180910 (このIDを非表示/違反報告)
いたる(プロフ) - 天王寺ゆなちゃんさん» ありがとうございます！ビジネス不仲最高ですよね！ (2021年6月26日 15時) (レス) id: 2538ecda96 (このIDを非表示/違反報告)
天王寺ゆなちゃん(プロフ) - じぇりーぬでお顔寄せあって投げキッスはちぬて......不仲とは......すしです...... (2021年6月25日 23時) (レス) id: 9fd7f3e26d (このIDを非表示/違反報告)
いたる(プロフ) - トパーズさん» ありがとうございます！りすなーですよ！そして、すとぷりは平仮名です！ (2021年4月21日 14時) (レス) id: 2538ecda96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いたる | 作成日時：2020年5月5日 16時
