130. ページ34
シャオロンくんの手がゆっくりと私の背中に回り
そしてｷﾞｭｯと優しく抱きしめられた。
貴「あ、あ、あの…シャオロンくん！？」
sha「んふふ♡Aさん捕まえた〜」
抜け出そうと試みるも、シャオロンくんの腕の力が強く身動きが取れない。
嬉しそうに微笑むシャオロンくんは何度も「Aさ〜ん」と私の名前を呼んでいる。
貴「離してください…！」
sha「嫌だ。だってAさん離したらどっか行ってまうやろ？」
貴「皆の所に戻らないと…」
sha「はいダメー」
そう言うとシャオロンくんは抱きしめる力を少し強くした。
お酒一杯でここまで酔うのかな…
「はぁ」と小さくため息を吐く。
どうすることも出来ない状況に私は諦めてシャオロンくんに身を預けることにした。
するとシャオロンくんは片手を私の頭へ持ってきてゆっくりと撫で始めた。
されるがままに撫でられているとシャオロンくんが声をこぼした。
sha「………………かわええなぁ」
貴「……っ！？」
無言で撫でていたシャオロンくんが優しい声色で囁くため、私の体温が急激に上がってしまう。
速くなる鼓動を誤魔化す様に私はシャオロンくんに話しかける。
貴「シャオロンくん？」
sha「ん〜？」
貴「からかってます？」
sha「なんで？」
貴「な、なんでって……その…」
今の状況を説明しようにも恥ずかしくて口ごもってしまう。
そんな私の様子を見て、シャオロンくんは頭の上に置いていた手を髪を伝って私の頬へと移動させた。
驚いて少し体を起こすとシャオロンくんと目が合った。
ﾄﾞｸﾄﾞｸとまた…鼓動が速くなる。
そしてシャオロンくんがゆっくりと口を開いた。
sha「Aさんは鈍感すぎる」
貴「え…？」
sha「もっと意識するべき」
貴「な、何をです…か…？」
一体何の事を………
sha「Aさん」
貴「は、はい」
シャオロンくんに名前を呼ばれ、私は息を呑む。
sha「好きだよ」
そう呟くとシャオロンくんは私の後頭部へと手を回し自分の胸元へ引き寄せた。
ﾄﾞｸﾄﾞｸとシャオロンくんの鼓動が聞こえる。
今……のは……
突然の事に頭が真っ白になる。
シャオロンくんが私を……好き？
貴「ｼｬ、シャオロンくん」
動揺で声が震える。
しかし、シャオロンくんからの返事がない。
貴「シャオロンくん…？」
心配になり顔を上げれば
貴「寝てる……」
シャオロンくんは規則正しい寝息をたてていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラビット_(プロフ) - こんにちは〜！今日久しぶりに最初から最後まで読ませて頂きました！いつ読んでもキュンキュンしちゃうぅ〜…。これからも楽しみに更新待ってます！ (2021年5月30日 8時) (
レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - シルヴァさん» 好きになっていただけて嬉しい限りです！励みになります。ご指摘もありがとうございます。急いで修正致します。これからも応援よろしくお願い致します。 (2021年4月7日 20時) (レス) id: e03bd05852 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ラビット_さん» 気まぐれ更新になってしまい申し訳ないです。WT様も登場させてみました！ (2021年4月7日 20時) (レス) id: e03bd05852 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ミカさん» ゆっくり更新で申し訳ないです。嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2021年4月7日 20時) (レス) id: e03bd05852 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - かかしさん» はじめまして。そう言って頂けて嬉しいです。本当にありがとうございます！かかし様の綺麗なお言葉に胸が温かくなりました。これからも頑張っていきますので応援のほどよろしくお願い致します。 (2021年4月7日 20時) (レス) id: e03bd05852 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸 | 作成日時：2020年2月4日 17時
