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吉「おはようございます、お嬢様。気分はどうですか?」
「吉原…」
吉「少し熱があるようです」
そう言って体温計を渡す。
吉「喉、渇いてませんか?」
「喉渇いた…」
吉「体、起こせますか?」
「なんか…」
吉「?」
「昔に、戻ったみたい…」
吉「…そうですね」
彼女の瞳が、潤んだ気がした。
ピピピ…ピピピ…
「37.8…」
吉「大変ですね…」
額に冷えピタを貼り、お嬢様の体を起こす。
吉「今、お粥持ってきますので」
「よ、吉原…」
吉「どうなされましたか?」
「今日、みんないないよね?」
吉「はい、全員出かけておりますが…」
「まぁちゃんって…呼んじゃダメ?」
吉「でもその呼び方は…」
「…お父様も、みんなもいないんでしょ?」
吉「でも…「お願い、今日だけっ」…今日だけですよ」
「ありがとう、まぁちゃん」
彼女の言葉を聞き、すぐに部屋を出る。
彼女の潤んだ瞳には勝てなかった。
それに…まぁちゃん、と呼んで欲しいと思っている自分がいた。
吉「昔とは…違うんだから」
そう自分に言い聞かせる。
そうしないと、気持ちが抑えられなくなる。
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麗奈(プロフ) - 更新待ってます!!!!! (2017年4月23日 1時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
勇花(プロフ) - めぐちゃむさん» ありがとうございます!嬉しいです(^O^) (2015年10月20日 21時) (レス) id: edc02d9e5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃむ(プロフ) - この話、普段誠は読まない私ですが、すごい好きです! (2015年10月20日 0時) (レス) id: bbec7445d8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃむ(プロフ) - この話、普段誠は読まない私ですが、すごい好きです! (2015年10月20日 0時) (レス) id: bbec7445d8 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - あの、なんか、話、泣けそうなんですけど・・・笑 (2015年10月12日 19時) (レス) id: ad652427a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勇花 | 作成日時:2015年10月2日 21時