必要不可欠【JK】 (ページ1)

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夜中の2時

携帯画面の点滅

これは彼からのSOS

彼からの合図

今日も私は、彼を癒す。

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《………ぬな》

着信が来るのを待つとその数秒後、

彼を知らせる音楽が鳴る。

チョンジョングク、彼の音。

彼だけの音。

『うん。どうしたのグク』

『眠れない？』

3コール目で取るのは私の中の密かなルールだ。

これは絶対、守る決まり。

彼の為と言えば聞こえがいいが、

私の為だったりする。

彼には秘密。

《ねむれない、》

《ぬな助けて》

布の擦れる音

鼻をすする音

私を呼ぶ声

この時間に電話をかけてくる日は、

決まってこの音達が私を迎える。

真夜中のSOS

彼からの、合図だ。

『大丈夫よグク。眠れるよ』

『大きく深呼吸してみようか？』

《うん、》

でも私が取り乱してはいけない。

私が出来ることは彼の合図を汲み取ることだ。

『どう？落ち着いたかな？』

『じゃあヌナがグクにとっておきの話をしてあげようね』

《ふふ。うん。今日は何の話なの？》

『今日はねヌナの高校時代の話だよ。』

『ヌナが高校1年生の時ね、』

彼に出来ることはこれぐらいしかないから。

私がその役目を貰った以上、彼を少しでも癒してあげたいと思う。

彼が明るく明日を迎えられるように。

それだけが願いなのだ。

私の小さな祈りなのだ。

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『～それでね、』

《………すぅすぅ》

『眠れたのね。』

『おやすみグク』

彼の合図を見逃さず、遂行出来たらそれでいい。

彼の寝息が聴こえると、私はとても安心する。

自分の睡眠時間が取れない時も、

彼の笑った顔を見るとどうでも良くなる。

彼が幸せならそれでいい。

そう思うから。

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