六、朝日が昇るまで ページ9
屋上からどうやって生徒会室へ帰ったのか…。
はたまた、どうやって学校から家に帰ったのか全く覚えていない。
おそらく白雪の仕業だろうが…。
鎖同士がぶつかって甲高い音が鳴る。
心無しか獣の呻き声すらも聞こえてくる。
全部、私が立てている音だ。
目が覚めるともう私は鎖に繋がれてて、私がやった覚えがないから、きっと誰かが繋いでくれたんだろう。
ふと鏡に目を向ける。
金色の髪にそれと同じ色の目が、鏡の向こうから私を睨んでいる。
先程から色々無駄なことを考えているのは、思考を捨ててしまったら完全に飲み込まれるからだ。
我関せず、心の中から第三者の視点を持っていないと、この状況に狂ってしまいそうになる。
体を完全に明け渡すことになるから寝ることも出来ない。
最近では休み時間が貴重な睡眠時間だ。
部屋の扉の前に待機している残火が、心底心配そうな目でこちらを見つめている。
不便だ。
"大丈夫だよ"の一言も言えないなんて。
朝まで我慢すればいい。
どんなに痛くても。
辛くても。
平等に朝日は昇ってくれるのだから。
鎖が手首に食い込む。
苦しそうな呻き声が上がる。
その声に残火が駆け寄ってくる。
《主君、大丈夫か？》
平気だよ
それすらも言えない。
残火が私の頬を舐める。
それで初めて、自分が涙を流していることに気づいた。
…情けない。
結局朝日が昇るまで、その涙が止まることはなかった。
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翼 - 続きが気になります！更新、楽しみにしてます！ (2021年4月18日 12時) (
レス) id: e6efe56fc6 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年3月14日 12時) (レス) id: 8704b5e388 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 若葉さん» 独り言みたいだからですか？ (2020年3月13日 22時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 花っち�擦気�» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月13日 22時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - なんか、狐と夢主ちゃんのお会話シーンみんなにとって厨二とおもったのは、私だけですか? (2020年3月13日 22時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イツキ | 作成日時：2020年1月25日 20時
