四、珍しい ページ7
｛お利口さんな雑種で良かったのぉ…そう思わんかえ？氷の愛子や｝
『ホント…お願い聞いてくれなかったらどうしようかと思った…』
｛決まっておる。その時は妾直々に噂を流した張本人を呪い殺しに参じるまでよ…｝
『やめてよ"白雪"。私は、君に誰一人として殺して欲しくないんだ』
｛今まで散々殺してきた妖狐にそれを言うかえ？本当にお主は面白いのぉ…｝
自分が当事者となっているのに、呑気なものだ。
いつもと変わらない声色に呆れてため息が出る。
白雪はいつもこうだ。
私が色んな面倒事に巻き込まれては、私の中からニマニマと笑いながら傍観者を決め込んでいる。
…本当に性格が悪い。
自分の手首に焼き付いた、黒々とした鎖の跡を見つめる。
手でさすれば、未だに鎖の形によってついた凹凸が感じ取れた。
｛……すまんな｝
『なんだい？珍しく落ち込んでいるのか？明日は大雪だな』
…春だけど
｛妾はお主がどう傷つこうがどう死のうがどうでも良い。むしろ、妾を封印した一族の者が死んで"悦"びすら感じる…だがのぉ…｝
普段の彼女からは想像もつかないような弱々しい声で、ぼそっと呟いた。
｛こんな風にお主が傷つくのは…いい気がせぬ｝
今日は本当に珍しい。
…明日は絶対傘を持って家を出よう。
などと考えていると、更に驚くような言葉が紡がれた。
｛…死ぬならせめて、妾の関わらぬ場所で静かに死んでくれ｝
『…善処するよ』
私のその言葉を最後に会話が途切れた。
ひとたびの静寂。
少し寂しい…なんて。
私はきっと祓い屋失格だ。
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翼 - 続きが気になります！更新、楽しみにしてます！ (2021年4月18日 12時) (
レス) id: e6efe56fc6 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年3月14日 12時) (レス) id: 8704b5e388 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 若葉さん» 独り言みたいだからですか？ (2020年3月13日 22時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - 花っち�擦気�» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月13日 22時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - なんか、狐と夢主ちゃんのお会話シーンみんなにとって厨二とおもったのは、私だけですか? (2020年3月13日 22時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イツキ | 作成日時：2020年1月25日 20時
