執着_____。【ヒロアカ】 (ページ2)

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人は生まれながらに平等ではない。
「架空」が「現実」になる世の中で人々は個性によって人生を幸福にも絶望にも操られてきた。
その象徴とも言える職業がヒーロー。
誰しもが空想し憧れる社会の光。

そのヒーローの登竜門である雄英高校の前に私は今、立っている。今日は雄英高校入試当日だ。

先に言っておくと私はヒーローが好きではない。
嫌いでもない。
ヒーローついて全く興味がないためだ。
私はヒーローになりたい訳ではない。
私がここに居るのはある目的のため。
私は一つ息を吐いて前へと足を踏み出した。

「今日は俺のライヴにようこそー！！エヴィバディセイヘイ！！！」
驚くほど鎮まりかえった会場。司会はプレゼントマイク。圧倒的温度差を感じる。
何やらブツブツと1人で話している人や大きな声で質問している人などを横目に見ながら私は入試について考えていた。
内容はロボを倒すという単純なもの。だが私の個性は人にしか使えない。どう立ち回るかべきか。気になるのは0ポイントロボの存在だ。ただの撹乱か、あるいは……。
相変わらず耳障りな大きな声で話が続く。
「最後にリスナーへ我が校の“校訓”をプレゼントしよう、かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った！『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と！！Plus Ultra!!」
ああ、なんだか吐き気がする。私はここに居ていい存在じゃない。

その後、本当に学校の敷地なのか疑うほど広大な試験会場に移動していた。
私が狙うのは特待生だ。特待生と言うのは授業費を含む全ての学費を学校が負担してくれる仕組みである。家庭の経済状況が悪い私にとっては絶好のチャンスだ。しかし、特待生の座を手にすることができるのはたった1人。特待生を目指す申請者の中で1番にならなくてはならない。
軽いストレッチをしながら会場を覗き見る。巧妙に隠されているが監視カメラが何台もあるのを見つけた。
つまり私達の行動は“全て見られている”。
態度も評価基準になると思っていいはずだ。
私は善良な人間ではない。
だが善良に見えるよう振る舞うことはできるだろう
周りの受験者を見回す。
この学校に相応しくないのは確実に私だ。だが勝ちは譲らない。打算的に狡猾に「良い人」を演じてみせるまでである。

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特待生と言うのは私の考えた設定です。主人公ちゃんのように事情ある生徒が学費を免除されるもので、奨学金のようなものだと考えると分かりやすいと思います。申請者のみ、特待生になることができます。