同居人が顔面の良さと色気爆走させてる【赤井秀一】 (ページ21)

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「半沢さ〜ん、2番へどうぞ〜」

工藤邸から徒歩10分圏内にある小さな歯科医院。
ユニットは３台用意されていて、院長が1人、歯科衛生士が私含めて３人。その他助手さんが2名程。

女性の職場ではあるが
皆さん気の良い方で何不自由ない。

白ベースの、綺麗な診療所だ。

「じゃ、前回の続きやっていきますね」

「よ、よよ、よろしく...おね、おねがいしますドゥフッ」

「......ん？」

スケーリングをしてる際、バキュームを持っていた手の指になにやらレロン...と生々しい感触がした。

「....っ！」

ーーーーー気のせいではない。

「は...半沢さん、危ないのであまりベロ動かさないでくださいね....？」

「....ひゃぃ...♡」

間違いなかった。
グローブ越しではあるが、指を舐められている。
指の形を舌で確認されるように、じっくりと。

「....」

背筋が凍りつくような何とも言い表せないニヤついた笑み。

初診の頃から、少し変わった人だなと思ってはいた。
笑い方に癖があるし、治療中、これでもかってぐらい顔を見つめられていたし。
今まで気に留めてはいなかったが。

この日、半沢さんに対して恐怖心が芽生えてしまった。

明らかにわざとだ。

(仕事だ...仕事に集中しなくちゃ、)

恐怖心と気持ちの悪さを押し殺し、治療を続けていると、視界の端で何やらモゾモゾと動くソレに目がいった。

(.................見なければ良かった)

そのモゾモゾの正体は、

半沢さんの手が、彼の下半身、まさにソレ。
ソレを弄っている。

(はやく....早く終われ....)

.

.

診察を終え、午後診までスタッフルームで休憩をしていると、院長に声をかけられる。

「花咲さん...？大丈夫かい？顔色が悪いけど...」

「.....え！？...そうですか...？」

体が震えてしまっていたのだろう。院長はそれに気づき凄く心配そうに顔色を伺ってきた。

「今日はもう帰って良いよ？
　花咲さん、この医院に就いてから凄く頑張ってくれていたし、疲労が溜まってるんだろ」

「.....いや...！でも...！」

「スタッフを守る事も長の務めだからね
　今日はゆっくりして、また明日から頑張ってよ」

「.......分か...りました」

言うべき事だと分かっていたものの
わたしはまだ、それを口にする事をも怖くて。
その日、院長には言えずにいた。

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次回、赤井さんに会います☆