ストーカーが年上イケメンだった件について。【あなたの番です】【佐野豪】 (ページ13)

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ナンパページ13

「何か飲みます？買ってきますけど」
「ああ……じゃあ、お茶を……」

私、佐野さんに何かされてばっかり。
それでいいのかな。
あ、佐野さん行っちゃった。
時計でも確認しようか、と思ってスマホを開こうとした時。

「あれ、おねーさん1人ぃ？」
「俺らと遊ばない？」

動物園にもナンパっているのか。
……どこにでもいるものなのか？そもそも。

「いえ、1人じゃないので」
「俺だったら、こんなきれーなおねーさん1人にしねーけど？」

いや、知らねーよ！！
お前は私の彼氏じゃないでしょ？

「関係ないですよね」
「大丈夫だよ、俺らと楽しいコトするだけだよ」
「強がっちゃって。ホントはそんな奴いないんだろ？」

面倒だな。
ダル絡みしてくる。
佐野さん、早く来ないかな……

「A？」

そう呼ばれ振り向くと、ペットボトルを2本持った佐野さんがいた。
すれ違いざま、

「すみません、今は付き合ってるフリを……」

と言われたので、そうすることにしよう。

「あー……マジでいんのかよ」
「Aは俺のなので」
「行こーぜ」

ナンパ2人組が行ったのを確認すると、佐野さんは私の方を向いた。

「大丈夫ですか？何もされてませんか？」
「大丈夫です……えっと、ありがとうございます」
「いえ……さっきは勝手に、名前呼んですみません」
「気にしないでください……嫌な気持ちは、しなかったので」

『Aは俺のなので』
ずっと耳から、その言葉が離れなかった。
いつか佐野さんの彼女になる日が来るのだろうか。
そう考えると、頭から熱が抜けなかった。