扉の向こう【番外編】 ページ16
設定:主人公305号室住み
付き合う前の話
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十六夜A、26歳。
大学院で文学部を専攻していて、小説家を目指しています。
あたしは、このマンションに住んでいます。
そして、好きな人がいるんです。
「豪さん、あたしの部屋……行きませんか？」
「良いの？」
「はい。寧ろ、来てほしいです」
「じゃあ、行こうかな」
突然ですが、あなたは愛されたいですか？愛したいですか？
あたしは……愛されたいです。
愛しているからこそ。
「お邪魔します……」
「どうぞ。今、お茶とお菓子準備しますね」
「うん」
引き出しを開けて、コーヒーとお菓子を出す。
特に特別なことはしない。
「どうぞ」
「ありがとう」
あたしは豪さんが世界で何よりも好きだ。
コーヒーを飲む姿も様になっていて……
ああ、好きだなって思うんです。
友達には、依存しそうで危ないって言われるんですけど。
依存しても良いですよね？
「本山幹子さん、とっても可愛いですね」
「うん……わかってくれて嬉しいよ」
「良いな……」
「え？」
「あたしも、本山幹子さんみたいになれたらいいのに」
恋って、本当に不思議ですよね。
滅多に言わないことも言えてしまうんですから。
「どういうこと……？」
「あたし、豪さんのこと……好きなんです。あたしと、付き合ってください」
「……本当に？」
「はい」
豪さん、好き。
世界で一番、大好き。
「俺もだよ……」
豪さんに抱きしめられ、抱きしめ返す。
思わず口元が緩む。
「世界で一番だーい好き……」
ねえ、あなたにもっと溺れたい
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作者名：アンドロメダ | 作成日時：2019年9月1日 22時
