佐野さんに色々してみたいしされてみたい【あなたの番です】 (ページ11)

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② ページ11

「A」
「豪さん……終わるまで待ってたんですか？」
「ああ……バイト先、来れて良かった」
「今まで言ってなくてごめんなさい……」

豪さんの隣を歩きながら項垂れる。

「Aは……大変そうだな」
「まあ、お客さんも多いですし」
「それでも、笑顔でそこに立ってる」
「今日の豪さんは変です」

突然、頭に手が置かれる。
あたしのより大きくて、優しい手。
あたしの大好きな手。

「いきなりバイト先来て、居座っちゃうんですから」
「また来ようかな、Aを見に」
「もう来ないでください！恥ずかしいんですから……」

ふと、立ち止まる。
豪さんは少し歩いて、あたしのいる場所を振り返った。

「A？」
「でも、嬉しかったです……菜奈さんが亡くなってから、元気無かったので……」

それに、あんなこと(探偵)してるなんて口が裂けても言えないし。

結果
来るなって言ったのにちょくちょく来るようになります。
でも、なるべく秘密は隠していたいよね。