話せる相手 ページ3
当然のように言われて、疑う言葉が出てこない。
「…そっか」
結局隠し事なんて出来ないんだなと思い知らされたようで、格好つけて生きてる自分を馬鹿に思った。
シャルナーク「で、何に困ってるの？」
「話すと、長くなるかもしれないよ」
優しい声で、最後の忠告をする。
正直、弱い自分を見せるのはまだ怖いけど、彼になら聞いてもらってもいいかもしれない。だって、もうどう足掻いても多分全部お見通しだし。
シャルナーク「いいよ。聞きたいんだ」
やっぱり引き下がらない彼に観念して、目を閉じた。
もう、打ち明けるしかないな。
「わかった。地下競売を襲った夜のことなんだけど………」
＊＊
シャルナーク「何となく見たことある人、か…手がかりも少ないし、難しいな」
あまりのターゲットの情報量の少なさに、流石の彼も『うーん』と唸って頭を悩ませる。
「うん。私が見たことあるなら、こっち関係の人間だって思ったんだけど…なかなか的が当たらなくて」
シャルナーク「けど第一、そいつが今回の件に関係があるのかもわかってないんだよね？」
「でも、会った時、何となく…殺気で私を誘きだしたみたいにも感じたんだ。それに、嫌な空気なの。放っておくのがちょっと怖いくらい」
シャルナーク「そうか…そんなに強そうだったんだね」
「うん」
シャルナーク「それじゃあ、そいつはマフィアの中でも情報が漏れないくらい秘密のところに籍を置いてるのかもしれない。ほら、聞いたことない？マフィアを裏で統括する秘密組織のこと」
「十老頭じゃなくて？」
シャルナーク「うん。十老頭とはまた少し派閥が違って、情報が公開されていない、もっと隠れたところにいる奴らがいるんだ。
ルイス家っていう上流階級の貴族が仕切ってる少数で構成された組織で、彼らの個人情報はほとんど機密事項だから、『高貴なマフィア』なんて呼ばれてる。プロハンターの情報交換サイトにさえ個人名も顔も出ないくらい、力のある奴らだよ」
「へぇ。ヤクザってのも随分いいご身分になったもんだね。それで、シャルは何処でその情報を？」
シャルナーク「確か…そうだ。昔にエドから聞いたんだよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るなるん(プロフ) - 好きです！続き待ってます！ (2022年4月20日 18時) (
レス) @page31 id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - Eveさん» Eveさんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！！これからもぼちぼち更新していくので気長に見ていただければと思います^_^コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: c7fe5650e1 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - 初めまして！すごく面白くてあっという間に読んでしまいました！本当に応援してます。これからの展開にドキドキです。応援してます。更新心待ちにしています！！！ (2020年4月19日 20時) (レス) id: 718ab04592 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナツメ x他1人 | 作成日時：2019年10月30日 23時
