「クロロ!」 ページ11
「クロロくんって何歳だっけ?」
クロロ「しばらく結んでないから忘れただけだ」
口答えするからぐっ、ときつく締めてやると『ぐえっ』と情けない声が漏れた。
クロロ「お前って奴は……」
信頼してた仲間の奇襲によるダメージを喰らった彼は、悔しそうに私を見る。
彼が普段と変わらない様子で安心したけど、もしこれが“普段通りにしなくちゃならない”出来事が起こったためだとしたら、
考えたくもない言葉が頭の中に浮かばないように、クロロは私を呼んだのかもしれない。
でも、本当はそれに向き合わないと前に進めないってことも、彼はちゃんとわかってる。
ネクタイを緩めながら、彼は椅子に腰掛けて脚を組んだ。
クロロ「ウボォーが“鎖野郎”を探しに行ったことは、シャルから聞いただろう」
私は頷く。
クロロ「ウボォーは、そのまま帰って来なかった」
「…そう」
その言葉が指すのはつまり、ウボォーはその鎖野郎、または別の人物の手によって殺されたかもしれないってこと。
ていうか、約束の時間に彼が来ない時点で、それは“かもしれない”では無くなっている。
「…ウボォーは、戦って死んだのかな」
あえて直接的な言葉を使ったのは、彼…ウボォーギンが戦士だったからだ。特攻である彼はとうの昔に“蜘蛛”に命を捧げている。戦って死んだなら本望だ。私も同じ考えを持っている。
クロロ「あぁ…。そうだといいな…
まさか誰もあいつが負けるなんて思ってなかった。鎖野郎がウボォーを捕らえることができるくらいの念の使い手だったとしたら…ウボォーが負けることも有り得たのに」
団長としては“特攻は死ぬのも仕事のうち”とはわかっていながらも、クロロは優しいから自分の判断ミスだとか、思ってるんだろうな。あーあ、本当。君、私がいて良かったね!
なんて偉そうなこと言うつもりはないけどさ、団長のモチベーション上げるのも私の仕事のうちだし。
「多分、私達はちょっとおかしくなってたのかもしれない。ずっと無敗だったから、自分達が世界最強っていう自信が皆何処かにあったんだ」
死神みたいな浮かない顔してるクロロの前を通って、キッチンの戸棚からグラスを取り出して、蛇口を捻って水を汲む。
私が動くと、透明な水がグラスの中で揺れる。
クロロ「油断してたから、思ってもないところから刺されたってわけか……」
すっかり頭を抱えて下を向いちゃったクロロの真正面で立ち止まって、彼の名前を呼んだ。
彼がゆっくり顔を上げる。
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るなるん(プロフ) - 好きです!続き待ってます! (2022年4月20日 18時) (レス) @page31 id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - Eveさん» Eveさんはじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!!これからもぼちぼち更新していくので気長に見ていただければと思います^_^コメントありがとうございました! (2020年5月13日 0時) (レス) id: c7fe5650e1 (このIDを非表示/違反報告)
Eve(プロフ) - 初めまして!すごく面白くてあっという間に読んでしまいました!本当に応援してます。これからの展開にドキドキです。応援してます。更新心待ちにしています!!! (2020年4月19日 20時) (レス) id: 718ab04592 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツメ x他1人 | 作成日時:2019年10月30日 23時