56話 ページ16
双子が後ろから「親に捨てられた」と言われた時。私は中学の三者面談の日を思い出した
あの日は雨で、ｻﾞｰｻﾞｰとうるさいほどに音を立てていた
中学の先生『宮村さん…あの御両親は…』
『今日は弟のピアノの発表会なので来れないと思います』
寧ろ、覚えてすらいないだろうね。
ちゃんと教えてこの日は行くと言っていたはずなのに、朝リビングへ行くと暁流が「お父さん！お母さん！今日の発表会見に来てくれるんだよね！」と話して2人共了承していた
本来、父が来るはずだった三者面談には父は疎か義理の母である直子さんもその場に姿を現さなかった
先『こちらの方が重要なのに…一体どうしているのかしら…』
困り顔で私の顔と自身が付けている腕時計を行ったり来たり視線を動かす
始まるはずの時間はとっくに過ぎている。
だが、私一人で話す訳にもいかずただ俯いて私は来るはずのない人を待っている
(もう、嫌だ。
こんなに惨めな気持ちになるなら…あの人達と暮らしたくない…)
何時もは泣かない私の目には薄らと膜を張る
膝の上で両手を握り締めて堪えるが、もうダメだと思った
先『次の方も待ってるし、宮村さんはまた今度で…』
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ
滝『すみません！宮村Aの従兄妹の滝川雅貴です。叔父が忙しい様なので代わりに…まだ時間大丈夫ですか？』
入って来たのは待ち望んでいた父の姿ではなかった。走って来たのかヨレヨレのスーツ姿に汗をかいた額を拭い少し困った表情で笑う従兄妹の雅貴が来た
先『は、はい！』
『ま、雅兄…』
滝『叔父さんが奥さんと子供を連れて歩いてるのを見てな…今日は三者面談だと聞いていたからもしかしたらと思って来てみたんだけど当たりだったな』
1人にしてごめんなといつもの暖かい手で私の頭を撫でた
『雅兄…来てくれてありがとぅ…』
泣きながら笑った私を見て雅兄は苦笑した
その後滞りなく進路は決まった
滝『ちゃんと叔父さんに言えよ？』
『うん。来てくれてありがとう。
迷惑かけてごめんなさい』
腰に手をやりやれやれと雅兄は首を振った
滝『一言余計だ』
滝『こういう時はありがとうだけでいいんだよ』
『うん！ありがとう』
結局、三者面談が今日だったと父には言えず卒業を迎え合格発表を迎えた。
合格した後父は初めて風舞高校に行く事を知り怒ったが私は何も知らないふりを決め込んだ
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スイ(プロフ) - 沙絢さん» ありがとうございます！学校の方が始まり更新があまり出来ませんが気長に待って頂けると幸いです！ (2019年1月16日 22時) (
レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
沙絢 - 凄く面白いです！これからも頑張って下さい！応援してます(^^) (2019年1月16日 17時) (レス) id: 0dd7d43814 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月@スイ | 作者ホームページ：http://weareasas
作成日時：2019年1月7日 16時
