【呪術廻戦】霆と呪いのハムレット【夏油傑】

第20話 “女の子”扱い ページ22

「ねぇお姉さんひま？」

「…は？」

「うわっめっちゃ綺麗〜どう？良かったら一緒に遊ばない？」

「今何歳？もしかして高校生？」

「…はぁ」


目の前に現れた男二人は下卑た笑みを浮かべ私の左右に腰を下ろす。彼らが浮べる笑みには何処か見覚えがある。

…あぁ、そうだ。
鳴神家に居た使用人の瞳によく似ているのか。

私を利用しようと取り入って来た大人に似ているのか。

結局どこに行っても似たような人ばかり居るのが少し、虚しく思える。


「こんな所にいても暇でしょ？俺達が奢るからさ〜」

「人を待っているの」

「へぇ？女の子？その子も一緒でいいからさ」


女の子とは似ても似つかない屈強な男だよと言えば彼らはどんな反応をするのだろう。きっと滑稽な顔をするのだろう。


「私の彼女に何か用かな？」

「……夏油」

「チッ男連れかよ」

「巫山戯んな」


クレープを両手に持った夏油は笑みを浮かべるだけで男達を散らした。


「離れなければ良かったね。済まない」

「…別に気にしなくていいよ」

「そうはいかないよ」


女の子なんだから。

夏油は私にクレープを渡しながら言う。
女の子扱いなんてされた事ない。
少し反応に困ってしまう。


「さぁ、クレープ食べよう」

「うん……あ、美味しい」


初めて食べたクレープはとても甘くて美味しかった。

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