【ヒプマイ】3年前、俺の前から消えた女【碧棺左馬刻】

嘘じゃない ページ6

「…なに？」


千「まだ話してないの」




それだけで分かってしまう
恋牙と蝶羽に父親の事を話したのか聞いている事を



「…話せる訳ないでしょう」




左馬刻にこの双子は私達の子だと言ったのかと



千「逃げてても意味無いよ」


「分かってるわよ」


最近会ったことを伝えると深い深いため息をつかれた


千「それで？逃げて来たの？格好悪い」



「五月蝿い」



千「あの双子の為を思うならちゃんと言いなよ」


「分かってる」



千景は黄緑色の瞳で私を見つめた



千「アンタはさ、」



話し始めると千景はケーキショーケースに頬杖をつき視線を私から外へと変えた



千「あの双子の為だからって話せるだろうね
でも、それはあくまでも双子の為

アンタの為じゃない









.









アンタはいつ幸せになんの？」



「…私は双子がいるだけで十分幸せよ」


千「…嘘吐き」


嘘なんかじゃないと言おうとした瞬間




恋「母さん！美味かった！」


蝶「また腕を上げたんじゃない？」



双子が奥から戻って来た




言いかけた言葉を飲み込んで笑顔で私は双子を出迎えた



「そう、良かったわね」

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