乙骨憂太【ドS】説

その10 廃病院にて ページ11

。



「呪いの発生源は今は閉鎖されているこちらの病院です。なんでも、医療ミスで人が亡くなったとか…」

「医療ミスで……」

『分かりました。帳お願いします……行こっか』



補助監督さんに情報を聞き、帳をお願いして憂太と共に敷地内に入る。中は思ったより狭いし、呪霊の気配も散らばってる訳じゃないみたい。確かに、これくらいなら憂太に教えながら祓うことも出来るかも。



『さぁここで問題です！』

「え！？」

『呪霊はどの辺にいるでしょー？』

「え、うーんと……端っこ…？」

『何それ。正解は2階でした！憂太って、もしかして呪力感知ザル？』

「うぐ……」

『後は…呪力の流し方だよね。聞いてると思うけど、憂太は里香ちゃんの力が強すぎるから、少しずつ、本当に少しずつじゃないと呪具の方が壊れちゃうから』

「うん。でも、どうすればいいのか全然分からなくて…呪力っていうのも、なんなのかまだ…」

『それはそうか……私がやってみるから、よーく目を凝らして見てみてね。多分、呪力の流れが分かると思う』



憂太が頷いたのを確認して、建物の中に入って行く。
私が使う呪具は憂太よりは刀身の短い刀で、元々はただの刀だった。でも私が使い込んだことで呪具となった。

院内は、肝試しスポットにでもなっているのだろうか。所々にゴミがあったり、散らかっていたり。何があったのかは知らないが破損している壁もある。



『やっぱ見つかんないか。……四神呼応…白虎』

「わっ……これが、式神？」

『そうだよ。この子は白虎。隠れてる呪霊見つけてくれるから、この子に着いていくよ』

「すごいねぇ……よろしくね」



憂太に撫でられた白虎は喉を鳴らして目を細める。
………この誑しめ。白虎は私に1番懐いてるんだからな。

その11 護りたい→←その9 庇護欲

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す