「 ターゲット 」 ページ1
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リクエストありがとうございました♡
長いからいつもは
正体不明の謎の生き物、ソイツを仕留めるのが俺の仕事。
いつも仕留めるヤツらは見た目から化け物で、見るに耐えなくてそのまま撃ち殺 す。
けど今回は違った。008は、見た目が俺たち人間と全く同じ、ただの人間そのものなのだ。…それに、やけに顔も整っているし。
コイツのなにが化け物なのか、全く想像もつかないまま、銃を持ち出して生息地へ足を進めた。
( …いた、 )
森林が生い茂るその草むらの中、ソイツはひっそりと生きていた。
生で見ても、やはり人間だった。しかし、情が湧いたらこの仕事は負け。
俺はやるべきことを、殺 るしかないから。
( …堪忍な )
引き金を引いた瞬間、その森林には大きな音が鳴り響き、鳥たちが大きく飛び立った。
無事に仕留めたことを確認するため、008に近づいた。
息は…してない、はず。うん、やった、やったぞ。その証拠に、肩には銃弾の跡があるし、…血は、出ないようだけど。そういう生物なのかもしれないし。
そう思って、仕留めたことを上へ報告しようとすると、ガシリと掴まれたその右腕。
「…え、」
「もお〜〜、急に大きい音するから、びっくりしたってえ!」
声のする方へ顔を向けると、ソレは俺が仕留めたはずであった008が、俺に話しかけているではないか。
「な、なんで…008は、俺が、撃ったはず…」
「ゼロ…??なになに、やめてや何の話ぃ?」
「なんで、なんで死なへんねん!」
「えーー?それは、俺が不死身やからちゃう?」
不死身…そうか、それがこの化け物の生体の真相…?
って、不死身て!!そうやったら、どうやって殺すねんな!?俺、コイツ殺さな仕事戻られへんって言うのに…!!!
「ほらァ、やからそんな物騒なもん置いてさ、俺とデートしよや、神ちゃん♡」
「な、なまえ…なんで、」
「名前だけやないで?今日、神ちゃんがここに来るのも知ってたしぃ、神ちゃんの好きなモノ、好きなコト、嫌いなモノ…ぜーんぶ、しってる」
ニコ、と笑うソイツは、化け物であるはずなのに、なぜか美しく、儚く見えた。
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作者名:ル | 作成日時:2023年3月9日 10時