56. 疑惑 ページ6
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さっそく次の週から、席が移動になった。
私は、部屋の隅の夏は暑いし冬は寒いコーナーから日当たりのいい、いい感じに暖かい席に移動になった。
「え、モモさんなんでここに」
年下の男の子に驚かれても作業の都合だよ〜とか言って誤魔化す。
ボラムちゃんが替えてくれって言うから仕方なく、なんて大人気なくて言えない。
最終的にその選択をしたのは私なんだから。
慣れない場所で仕事、仕事、仕事。
やることは山積みなのに、後ろの方から聞こえるボラムちゃんの声が気になって手が止まる。
あー、もう、ほんと嫌。
やきもちとかそういうの、本当にしたくない。
ジョンウがあの日ヨンホオッパじゃなくて俺にしてよって言ったとき、私は嬉しいと思ってしまった。
されるのは嫌じゃないくせに、自分がするのはすごく嫌。
私がジョンウを縛っているみたいな、それか私がジョンウに依存しているみたいな、とにかくそんな感覚になって自己嫌悪。
何とか仕事をやり切って家に帰っても、ジョンウ帰ってくるな帰ってくるな…と念じてしまうほど。
しかも、そんな念は全く意味がなくて当たり前にジョンウは帰ってくる。しかもウチに。
「ただいま〜」
ああ、帰って来てしまった。
私が嫉妬で疑り深くなってるなんて、死んでもバレちゃだめ。
モモ、ジョンウには何もないから。
ジョンウは同時に2人と付き合えるほど、器用じゃないんだから。
大丈夫、大丈夫。
いつも必ず言うおかえりを言いそびれて、ジョンウは部屋に入って来てしまった。
「…あ、おかえり」
「あって何」
「ごめん」
ジャケットを脱いでハンガーにかけて、ソファに座っていた私の横にどすん！と腰掛ける。
「あーづがれだ」
「お疲れさま」
私がそう言ったのを聞いて、なに、と笑って私を抱きしめた。
「何ですか、キムジョンウ」
「突然呼び捨てだ！モモ怖い！おこってるの？」
「怒ってませーん」
「充電中だから喋んないで？残り2パーで帰ってきたから2時間は充電しないと」
「長い」
「え？今長いって言った？うわ最低だモモ」
抱きしめられる体勢がつらくて、
苦しくなって、すん、と鼻から大きく息を吸い込む。
ああ、ほんと。
ほんとにもうやだ、最悪。
ジョンウのシャツから、ボラムちゃんの匂いする。
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もゆ - 神作品の記念すべき400票目の投票をさせていただきました…！2作品分？一気に読んだのですがもう、他ペンの私から見てもジョンウってこういうあったかい人やんね〜っていう謎の共感?!というか人柄が綺麗に表現されてて感動しました！ありがとうございました！！ (2021年5月21日 0時) (
レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
Sar - やっぱり天才です(涙) (2021年5月10日 16時) (レス) id: 3eb67c9a03 (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしてしまいました！(笑)結末まで可愛いのがさすがキムジョンウ！ってなりました！！キュンキュンもありモヤモヤもあり…でもキュンキュンさせてくれる素敵なお話でした！どうか結婚まで…と続編を希望してます！笑笑 (2021年4月29日 21時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - ろんさん» ろんさまお返事遅くなって申し訳ありません(TT) その一言が頂けたことが最高にうれしいです…楽しんで頂けたなら本当に良かったです。読んでくださってありがとうございました(TT) (2021年4月21日 21時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
ろん - 凄いきゅんきゅんしました（しあわせ） (2021年4月9日 20時) (レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2020年12月18日 12時
