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試されて斜め上 ページ15

監督さん達に断りを入れ、舞台裏まで来た俺達。

(ここなら聞かれないな)

周りをしっかりと確認してから、未だ警戒、というか多少不機嫌な天馬の方に向き直る。

「まずは、ごめん」

「は?」

まさか謝られると思わなかったらしく、意外そうに目を開いた天馬。

「ここの団員って事、お前に黙ってたから」

騙した訳じゃないけど、言わなかった俺が悪いのは言うまでもない。

「……何でお前、あれだけの演技が出来て役者じゃないんだよ」

「ちょっと訳ありでさ。あの時の事もまだ誰にも話してないんだ」

皆に余計な心配かけても仕方ないしな。

何より俺はGOD座に入るなんて絶対ごめんだから、別に話した所でどうとなる訳でもない。

そう伝えると、天馬は少し黙った後、今度は真剣な目で俺を見据えた。
流石に天才役者なだけあって、凄い気迫が伝わってくる。

「お前はもし、俺が今あいつらにその話をしたらどうする」

「え、」

突然尋ねられ、言葉に詰まる俺。

「才能がある、役者として使うべきだって俺が言えば、きっと奴らはお前の芝居を見たがる筈だ」

「そりゃあ、流れ的にそうなるだろうけど」

「それでもし役者になれって言われたら、お前は戻るのか?」

「なんでそんな事聞くんだよ」

「いいから、答えろ」

やけに真剣に聞いてくる天馬に戸惑いながらも、言われた通りその状況について考えてみる。

けど、やはり俺の答えはただ一つで。

特に迷う事も無く、すぐに答えた。

「戻らないよ、というか戻れないし。仮に戻ったとしてもここではしない」

「……なんでだ」

理由は一月前と一緒。
そして多分、今後もずっと変わらない。

「自分で芝居すんのと同じ位、あいつらの力になりたいと思うから」

春組公演が終わって泣いた至さんや喜ぶ皆を見た時、本気でこの世界で皆を支える事が出来てよかったと思った。

まるで自分の事みたいに嬉しくて、それこそ前の世界で芝居してた時みたいで。

「もちろんお前の事だってそうだよ」

目を合わせて言えば、天馬は意表を突かれたように驚いた様子でこちらを見た。

「……ふん、そうかよ」

そして合格だとでも言わんばかりに口角を上げる。

「まぁな……さて、んじゃそろそろ「決めた」……え?」

扉に身体を向け、戻ろうと言おうとした所で遮られて。

何事かと思い振り返れば、そこにはドヤ顔の天才役者様が。

「あんたを俺の専属コーチにしてやる」

「………………はぁ?」

今度は俺が素っ頓狂な声をあげる番だった。

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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 梨さん» 同じ推しの方に出会えてポンコツ厨の私大歓喜です\( 'ω')/バッ いいですよね.........え、おま、監督に惚れ、ちょ、チョロ〜!!ってなった瞬間彼が推しになりました(昇天) (2018年8月12日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - おんぷさん» コメントありがとうございます!グダグダで薄っぺらくならないよう気をつけてるのでそう言って頂けると励みになります!応援感謝です\( 'ω')/バッ (2018年8月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アイトさん» コメントありがとうございます!この作品に時間を割いて下さった上に面白いと言って貰えてとても嬉しいです!頑張らせていただきます\( 'ω')/バッ (2018年8月12日 2時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まさかの最推しが同じでとても嬉しいです……ポンコツ尊い(クソコメ失礼します) (2018年8月10日 1時) (レス) id: f85cb309ef (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - 毎回、更新のたびに楽しく読ませていただいております!ペースがゆっくりな分、内容が濃いし面白いので、このまま続けて欲しいなと私は思います!これからも頑張って下さい。応援しております! (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7e9d265bdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年7月19日 1時

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