治せない怪我 ページ26
俺が丞さんと打ち解け、千秋楽まで残り二日となった日の夜。
無事チケットも完売して稽古を解散した後、俺は夜遅くにも関わらず、談話室へと一人足を運んでいた。
もしかしたら、あの人も談話室にいるんじゃないかと思って。
(やっぱりか)
当たらないよう祈りながら来てみたけど、残念ながら、そこには想像通り絆創膏や薬が入っている棚をごそごそ漁る至さんがいた。
気づかれる事無く、静かに近づく。
｢お、湿布足しといてくれてんじゃんキタコレ｣
｢俺が足してますからね｣
｢っ！｣
俺の声に、バッと勢いよく振り向く至さん。
まるで幽霊でも見てるのかと思う位、目を見開いている。
｢……いつから気付いてた｣
｢数日前から、何となく｣
睨まれたが、怯まず答えた。
なくなる湿布も、部屋から臭う薬品の匂いも。
例えこの先の事を知らなくとも、至さんが足をかばっている事はすぐに分かった。
詰めが甘いんだよ。
｢とにかく来て下さい｣
｢何を……｣
俺は至さんから湿布を奪い取ると、他に包帯や薄めのサポーターを持ってソファーへと向かう。
｢自分側からじゃやりにくいでしょう？｣
何にせよ、まずは手当をしなくちゃならない。
この時間なら誰もこないだろう。
｢やっぱり、足痛めてタネ｣
さっきからドアの向こうで聞き耳立ててたシトロンさん位しか。
｢っ、シトロン……｣
｢しばばっきれてもダメダヨ｣
きっと、さっき千秋楽のチケットの件で至さんに抱きついた時にでも気付いたんだろうな。
どうやらこのゲーマーを説得するのを手伝ってくれるらしく、手当の準備を始める俺のそばに立つ。
｢ほら、至さん早く｣
｢イタル｣
｢……はぁ。分かった｣
ため息の後シトロンさんに支えられ、至さんはソファーに腰掛けてくれた。
幸いこの手の怪我なら俺の劇団の人達もよくやってたし、素人の俺でもなんとかできる。
シトロンさんに手伝って貰いつつ手当てをしていると、不機嫌そうな至さんと目が合った。
｢それで？なんで俺を止めなかった訳？｣
それは分かってた癖に、という事だろうか。
まぁ確かに、分かってて自由にされるのってなんか釈然としないよな。
｢そりゃあ、何度も問い詰めようとは思いましたよ……けど、｣
俺が動いた所で多分どうしようもならなかったってのもあるけど、それよりも。
｢俺も多分、止められても聞かないでしょうから｣
なら、口出しなんてされない方がいいでしょう？
俺や至さんみたいなゲーマー脳なんて特に。
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祐(プロフ) - こずめさん» お返事遅くなりました！(名前変わっててすみません)もう文章からこの作品を好いてくれてるのが凄く伝わってきます私も貴方様が好きですありがとうございます。夏組編もよろしくお願いします！ (2018年7月21日 23時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました！本当ですか！？みかさんのA3!との出会いに関われたなんて嬉しいです！この作品書いてて良かったです・ﾟ・(つД｀)・ﾟ・ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - イオリさん» お返事遅くなりました！そう言って貰えて凄く嬉しいですヽ( ´ ▽ ` )ノ私も夏組大好きです！ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 翔香さん» コメントありがとうございます！大変お待たせ致しました！またこれからゆっくりではありますが続ける所存ですのでよろしくお願いしますヽ( ´ ▽ ` )ノ (2018年7月19日 16時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - Lilyさん» コメントありがとうございます！初期の頃からずっと支援してくださっていたなんて嬉しい限りですヽ( ´ ▽ ` )一応冬まで続ける所存ですので、これからも読んでやってくださいませ＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年7月19日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年3月13日 10時
