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振り返るより先に、
腕を強く引かれる
樹「なにやってんの。帰るよ」
その声、力の込もった手
樹くんだった。
『……え、ちょ……!』
驚いて振り向いた私の目に映ったのは、
息を切らした、
必死な顔の樹くん。
えっと、誰? 先輩が戸惑ったように言うと、
樹くんは低く、静かに言った
樹「すみません。この子俺の彼女なんで」
その一言で、
胸がぎゅっと締めつけられた
先輩は空気を察したのか、
何も言わずに去っていった
人気のない公園のそばで、
ようやく、腕を離される。
『………なんでここに?』
そう聞くと、
樹くんは苦しそうに息を吐いてから、
私をまっすぐ見つめて言った
「家行ったのにAちゃん居ねーから、
……探した」
その声は、
少しだけ震えていた。
「……あの写真」
樹くんが、
ゆっくり言葉を続ける
「打ち上げで、みんなで飲みに行った時のやつ
帰り、たまたま同じ方向で一緒になっただけ。
……Aちゃんが思ってるようなこと、何もない」
私は、何も言えなかった
「なのに、連絡返ってこなくなって」
「俺、あのとき初めて思った
……失ったかもしれない、って」
胸が、苦しくなる
「俺さ」
一歩、近づいてくる。
「Aちゃんが好きだよ、冗談じゃなくて。
遊びでもない」
震える手が、私の頬に触れた
樹「Aちゃんといる時間が、
一番、落ち着く
笑ってるの見て安心するし、愛おしいし
いないの…耐えられなかった」
初めて聞く、
こんなにも真っすぐな言葉
「離れないで」
その一言で、
全部が、胸に溢れて
私は、
やっと気づいた。
――こんなにも、
思ってくれてたんだって。
知らなかった、気づかなかった
私の目から涙がこぼれる
そんな私を見て、樹くんはそっと私を抱きしめた
私は何も言わずに彼の胸の中に顔を埋めた
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あかり(プロフ) - みーさん» ありがとうございます₍ᐡඉ ̫ ඉᐡ₎💭 (12月13日 7時) (
レス) id: 48a9374dd2 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 面白かったです! (12月12日 15時) (
レス) @page48 id: a4226de3f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2025年12月2日 13時


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