瞳の奥に映るもの【シリウス･ブラック】 (ページ7)

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少女──ボルベールのコンパートメントに入り目の前に座ってからというもの何故か真正面をむくことが出来なかった

ジェームズの訳の分からない女子の話を嫌な顔せず聞き続ける彼女の顔を気づかれない程度に見てみる

やはり何度見ても自分のタイプではない

なのに彼女の瞳から目を離すことが出来なかった

自分でも分からない初めての感覚で頭の中はいっぱいだった

何を考えるわけでもなくぼーっとしていればいきなりジェームズが立ち出して訳も分からないままコンパートメントの外に引っ張られる

『ちょ、ちょっと待てって、自分で歩ける！』

ｼﾞｪ｢自分で歩けるって君ずっとぼーっとしてるじゃないか。もうすぐでホグワーツに着いちゃう。早く着替えないとだろ？｣

『お前が延々と女の話をしてるからだろ！着替えくらいすぐできるさ…』

ジェームズの後に着いて自分たちのコンパートメントの戻ろうと思えばふとまだボルベールに謝っていないことを思い出した

『ジェームズ』

ｼﾞｪ｢？｣

『悪い、先に戻っててくれ。直ぐに戻る』

ｼﾞｪ｢？分かった。早くしろよ｣

そっと先程まで居座っていたコンパートメントを覗けば外に目線を向けている彼女がいる

なんて謝ろうか考えがまとまっていないのに気づいたら扉を開けていた

幸いなことに今度は静かに開けている

ちぐはぐな言葉で謝れば彼女はふわりと笑う

その姿にまた固まりそうになるのを抑えて何とか言葉を繋げば彼女も言葉を返してくれる

彼女の瞳が自分に向いているのになんとも言えない優越感がある

友達のいるコンパートメントに戻ってからも頭を占めるのは彼女の瞳だった