瞳の奥に映るもの【シリウス･ブラック】 (ページ49)

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『桜の枝……』

セ｢ずっと返すタイミングが見つからなくて……ごめん｣

『なんで謝るのよ！ありがとうセブルス！』

わざわざこれを渡すために追いかけてくれたのかと思うと笑顔が零れる

『でも私の事セブルスは知ってたのよね？それなら朝やお昼とか、大広間でも渡せたんじゃ』

セ｢それだとあいつらがいるだろう。それに僕はスリザリンだ。君が1人になる機会があまりにもないからこの先ずっと渡せないかと思った｣

『私ってそんなにあの人たちと一緒にいる？』

セ｢あぁ、女子を除けば特にブラックとよくいる所を見る｣

『え』

驚きで後退る

特にシリウスと？

全く自覚がなかったため返す言葉が思いつかない

セ｢僕は授業があるからもう行く｣

『ぁ、そうね、これ届けてくれてありがとう』

セ｢……別に｣

ｸﾙｯとローブを翻して歩いていく

ここで別れたらもう話すことは無いかもしれない

そう思い咄嗟に声をかける

『セブルス！』

セ｢なんだ？｣

『今度、魔法薬学教えてよ！』

セ｢……気が向いたら｣

無表情でこちらを向いて直ぐに向き直ったが一緒だけ笑ったようにも見えた

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幸せな気持ちのまま席に座り羊皮紙を広げる

もうすぐ期末テストが近づいていたため苦手な魔法薬学を教えて貰えるのはありがたい

ペンを持ち書き始めようとした時、セブルスの言葉を思い出した

"セ｢特にブラックとよくいる所を見る｣"

『ｯ……』

今までリリー達と一日中一緒にいるのは理解してたし、悪戯仕掛け人達ともよく話すのも分かってた

でもそれはみんな平等で誰か1人と特定されるとはましてや周りの人から見てもわかるほどとは考えても見なかった

『今はレポートをやらないと』((ﾎﾞｿｯ

考えるのをやめてレポートに集中する

シ｢お、ボルベール｣

『！？、え、ぁ、シリウス』

片手を上げて笑顔で呼びかけたシリウスの脇には本が挟まれている

今さっきまで考えていた人物が目の前に現れて挙動不審になってしまった

シ｢？そんなに驚くか？｣

『わ、私用事を思い出したから談話室に戻るわ！』

シ｢え、待てよ！｣

シリウスの言葉を無視して全速力で談話室に戻る

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リリ｢A？もうレポート終わったの？｣

『リリー……いや』

リリ｢何かあったのね、今は私しかいないし話してちょうだい｣