青宗▽ ページ4
私には青くて苦い思い出がある。
私が中学三年生の春、年下の彼に告白された。
私は進級したてで浮かれていたし、告白の時も一目惚れだとか言うので、速攻OKした。
しかしこれがいけなかった。
そいつ、乾青宗はとんでもないチームの不良だった。
しょっちゅう怪我をしてくるし、集会だの抗争だので何度も予定をドタキャンされた。
でもその頃は可愛いと思えていた。
｢ヤンチャな彼氏｣に憧れがあったし、年下だったので相乗効果で可愛く見えていた。
重なるドタキャンも怪我も、愛嬌だと捉えて合わせて付き合っていた。
関係が切れたのは、彼が少年院に収容されたと聞いた時だった。
不良なのは知っていたが、少年院に入るほどの悪いことをしたということにショックを受けた。
今までのドタキャンや怪我なんて可愛いものだったのだと気づいた。
それから私は不良とは関わらなくなった。
今思えば、あんなに友達にやめておきなと言われたのにやめなかった私が悪かったのだとも思う。
一度も面会には行かなかったし出所の時も会いに行かなかったから自然消滅したものだと思っていた。
それが、まさかこんな形で再開することになるなんて。
九｢…大体話は分かった。でもイヌピーのこの態度、あんたと別れたって思ってなさそうだぜ｣
乾｢別れてねえよ｣
『自然消滅しただろ』
九｢イヌピーに自然消滅なんて感覚あるわけねえよ…｣
とりあえず離れろと黒髪の少年が青宗を引き剥がす。
非常に納得のいかなそうな顔をしていた。
九｢とりあえず俺の話聞け。イヌピーはまだ付き合ってるつもりかもしんねえけどこの人はもう別れてるつもりだったんだ｣
乾｢…何で｣
九｢長いこと会ってなかったんだろ？連絡したか？｣
乾｢…いや｣
九｢そういうことだよ｣
ぬ…とまだ若干不服そうな顔でこくりと頷く。
絆されてはいけないと思いながらも、ちょっと揺れ動いている自分に腹が立つ。
乾｢A、俺のことキライ？｣
『…どっちかと言えば嫌い。少年院入んなきゃなんないことをするやつとは付き合いたくない』
乾｢…だよな。ごめん｣
今までありがとう、悪かったと、頭を下げられた。
また友達からやり直せるか、と青宗は私の目を見て言った。
『…次ドタキャンしたら絶交だから』
乾｢ありがと｣
へらっと笑って今度は優しく抱きついた。
普通の友達はこんなことしないと言ってやるのは、なぜだか少し、名残り惜しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1974人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヤメ - すごく面白いです！！夢主モテまくり！もっと愛され？まくってほしいです！全員と河田兄弟、灰谷兄弟ももっと絡んでほしい…！！更新応援してます！！ (2023年1月31日 2時) (
レス) id: 2cc13cb731 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - えっ！元カレがイヌピーだと・・・。 最高じゃないですか。 (〃`∀´〃)ウヒャ♪ (2021年11月11日 18時) (レス) @page4 id: 029eb9d67f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ - エマ「…事情聴取！！」『ぐぇっ』机(？)叩いてズイッて近づいてそう (2021年10月6日 16時) (レス) @page2 id: 43861cdfb1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのｦﾀｸ - 続編おめでとうございます！！応援してます！ (2021年10月4日 17時) (レス) @page1 id: 1fee27c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです！ (2021年10月4日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つか | 作成日時：2021年10月4日 13時
