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st黒


微かに聞こえてきた声の主は佐久間くんや京本のものだった。

ここにいるよ!…と声に出して言いたいが、息を大きく吸えば砂や埃が口に入る為大声を上げることができない。

声が近づいたり遠のいたり…広い範囲を探しているからすぐに見つかるはずもなく、もどかしさが支配する。

樹も深澤くんも心配そうな表情で耳をすましている。


「ちょっとこっちきて!!」


不意に慎太郎の大きな声が聞こえた。すぐ近くにいる。


「しんたろ…。」


俺の声が届くはずもないが心の中でここにいる、早く助けてと祈り続けた……その時。

急に足元の重みがなくなり、次第に体の上にある瓦礫も取り除かれた。そして、会いたかった彼らの姿が。


「…北斗!!」

「ふっかさぁん!」

「樹っ!」


ありがとう、の気持ちを込めて笑みを向ければ目の前にいる5人は安堵の表情を見せた。


「まじで助かった…ありがとう。」

「ふっか、足怪我してんじゃん!」

「まぁ、痛いけどなんとか平気だよ。」


佐久間くんが深澤くんの腕を自分の首に回し立ち上がらせる。平気と言っているが顔は引き攣っているから本当に痛いのだろう。


「北斗も樹も、無事でよかった…。怪我はない?」

「俺、多分頭打ってんだよね。今んとこ平気だけど。」

「はっ?お前やべぇよ、石頭かよ。(笑)」


心配してるのに半笑いの慎太郎に樹は悪気のない返事を返している。


「北斗は?大丈夫?」

「肩が少し痛いくらいで他は大丈夫。」

「よかった…。」


普段2人きりが気まずい京本だけど、1番最初に顔が見れた瞬間、嬉しさのあまり涙が出そうだった。

たまには素直になるのもいい気分だ。


「京本、ありがとう。」

「…ふふっ、どういたしまして。」

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あんこ(プロフ) - 柑橘さん» コメントありがとうございます!不定期更新になりますが気長にお待ちいただければと思います♪ (2022年11月3日 10時) (レス) id: 5e6bf3d23b (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - とても面白かったです‼これからも頑張って下さい‼続きみたいです!お願いします! (2022年11月2日 6時) (レス) @page8 id: 0e4755acad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作成日時:2022年10月2日 20時

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