1.プロローグ?違いますけど。 ページ1
*
待ちに待った、お昼休み。
みんな楽しそうにお昼ご飯を食べる中、私、赤葉Aは一人購買へ。
あ、ぼっちじゃないよ?弁当忘れただけであって。
するとその途中で、見覚えのあるアホ毛と寂しそうな背中が見えた。
「あ」
「はっ...!」
「はい、ストップ」
上から順に、私、半田、私。
ガシッと逃げ出そうとした彼の腕を掴んで、逃走を阻止した。
前は上手くすり抜けられてよく逃げられていたが、今では半田の逃走パターンをほぼ把握しているため、今のところ連勝である。
さてさて、半田はこんな所で何をしているのか。
「めっちゃ顔青いけど、大丈夫?何かあったの?」
「あ、いや...ついさっき女子に追いかけられて(強制的に)これ渡されて...逃げてきたというか」
「ああ、クッキーね...それはそれは乙でした。で、もう食べたの?」
「まさかっ!もしかしたら何か入れられてるかもしれないし、でも捨てるとこ見られたら殺されるし」
と、プルプルと震えた手で私に見せた可愛いらしいクッキー。
腹が空いてた私は、美味しそうじゃん、と一つかじって見せた。
「ああっ!」
「...うん、普通に美味しいけど?ほら、大丈夫だから半田も食べてみなよ」
「....こ、心の準備が出来たら」
という返事をもらった所で一旦別れ、私は購買へ再び足を運んだ。
一番安いパンと同じく一番安い飲み物を買って食べ、とりあえずお昼が終わる。
だが五、六限目の間の休み時間、私は直ぐ様半田の所へ向かった。
「ちょっ、半田、あのクッキーまだ食べてないよね!?」
「えっ、ああ、まだだが...」
「よし、じゃあ絶対食べるなよ!?クソ、やっぱ半田の言う通り何か入ってる!ヤバい、超腹痛ぇ...」
「なっ、やっぱりか!?」
この事件を後日半田と一緒に川藤に報告すると、彼は冷静にこう返してきた。
とある行きつけのカフェにて。
「それ、十分に生地が焼けてなかっただけじゃね?」
「ああ、それで...ってちょっと待って、それってどっちにしろ危ないもの渡されただけじゃない?」
「まぁ待て、落ち着け...それより、お前ちゃんとクッキー食う前に手ぇ洗ったのか?」
「.....洗った?」
「俺に聞くな」
「....まぁ多分だけどお前の手が汚かっただけなんじゃねぇの?」
「え、ちょっと止めてよ。確かに四限が体育でその後手は洗ってないけどさ。いや、時間が無かったんだよ?洗えなかったんだよ?」
「いや、もう結論は出たんだ、諦めろ。言い訳は見苦しいぞ」
「...酷くない?」
という感じで、日常送っております。
69人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ストロベリーポッキー(プロフ) - 面白いです!更新頑張って (2016年8月28日 13時) (レス) id: 4ec58af26d (このIDを非表示/違反報告)
神奈子 - 銀魂の作品の「え、いや何で私?」の番外編にリクエスト書いています。よかったら見てください。 (2016年8月1日 22時) (レス) id: 1035a550d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひめゆり - 面白いです!更新頑張って下さい!(*´∇`*) (2016年7月31日 20時) (レス) id: 679f7594a7 (このIDを非表示/違反報告)
縫月リン(プロフ) - 詩織さん» ありがとうございます!!更新頑張りますねっ! (2016年7月31日 16時) (レス) id: 60fea633a1 (このIDを非表示/違反報告)
詩織 - 面白いです!更新楽しみにしてます (2016年7月29日 15時) (レス) id: 7cff2cbe6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:縫月リン | 作成日時:2016年3月19日 14時