▼ ページ12
玲於 side
ーパンッッッ!ー
男の膝から血飛沫が上がり、男が開いた口から耳を劈くような絶叫が漏れる。
なんだ、まだ叫べんじゃん。と思っているとふっ、と隣で直人さんが笑みを漏らした。
「あいつ…馬鹿じゃね?」
男をみるその目が、面白そうに細められる。
『っすね、』
落胆するような雰囲気の室内。
口元に笑みを貼り付ける男達の姿は、きっと、痛みに悶え苦しんでる男の目には写っていない。
「当たったか…残念だな、」
どくどくと血を零す膝を見ながら、広さんが眉を下げる。
「少し執着心が足りないんじゃないか?友達と同じくらい苦しい思いをしたのに、死ななかったお前の執着心はそんなもんじゃないだろ?」
痙攣し始めた男の手から静かに拳銃をとり、シリンダーを回すと、再び拳銃を握らせる広さん。
「確率は下がった。次が本番だ。」
声を出すことも出来なくなった男が、再び僅かに首を揺らした。
「安心しろ。これが外れたら、後でちゃんと全部手当してやる。」
そう言って男の手首をとると、握られた拳銃を男のこめかみに誘う。
男の霞んだ瞳が、嫌だと告げていた。
その瞳を見つめ、
「…女もシャブも金も望むだけやるよ。お前の強い執着心への報酬だ。」
広さんが呟くように吐いた言葉に、男の目に僅かに光が宿った。
…ほんと、馬鹿すぎんじゃねーの、こいつ。
「生きたいなら、賭けろ」
男の指が、確かな意思を持ってトリガーに触れる。
男が、トリガーに力を込めた瞬間、
男を見つめていた広さんが、静かに嗤った。
ーパンッッッ!ー
脳天を自分で撃ち抜いた男の頭が、床に落ちる音が鈍く響く。
静寂が訪れる室内。
静かに立ち上がった広さんは、男の手に握られた拳銃を引き抜く。
「大事なのは執着心じゃなくて、貪欲さだ」
ぽつりと呟いた広さんが、息絶えた男を見下ろし、その体に銃口を向ける。
「クスリと女しか頭にないこいつには、伝わらなかったな」
そう言ってゆっくりとトリガーに手をかけると、
銃声が6つ、室内に響いた。
「全部に入ってんだよ、馬鹿が。」
狂気を宿した瞳で、蜂の巣になった男を見下ろし、広さんは、静かに吐き捨てた。
ほんと、世の中、馬鹿ばっかで困る。
馬鹿は馬鹿らしく、せいぜい、地獄でシャブ啜っとけって感じだよな。
1299人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やぁ(プロフ) - こんばんは。はじめまして!この作品が大好きで何度も読ませて頂いております。9のパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願い致します! (4月8日 23時) (レス) id: afb0f19d33 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - こんばんは🌃いつも楽しく見させて頂いています。9のパスワードを差し支えなければ教えて頂けないでしょうか? (1月3日 21時) (レス) id: 9ba221d380 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - はじめまして。この作品が大好きで何回も読ませていただいております!もし、差し支えなければ9のパスワード教えていただかないでしょうか? (12月16日 16時) (レス) id: 8ef99b4bc6 (このIDを非表示/違反報告)
博子(プロフ) - 続きが読みたいので、パスワードを是非教えて下さい! (9月17日 7時) (レス) id: dc8dec8862 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 初めまして。最近この作品と出会って一気に読ませていただきました。続きはもう読めないのでしょうか? (7月14日 10時) (レス) id: 222fa2acf1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:jiu. | 作成日時:2019年6月2日 20時