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｢──っ！、───…き！結輝！！｣
どうやらトリップしていたようで計間に揺さぶられてハッとする。仲間に関することだろう、割れた際に失われたはずのそれは時々するりと意識の間から顔を出すのだ。
｢ものすごくぼーっとしてたね…！！考え事かい？？？？｣
問いに頷きで返す。
｢時々昔の事を思い出すんだよ。覚えておかなくちゃいけないことだから思い出した切れ端を辿るんだけど…すり抜けていくんだ。｣
｢なかなかポエミーだね君？？？？？恥ずかしくない？？？？？｣
｢うるさいなお前いちいち…｣
プラプラ揺れる計間の足を軽く小突く。
｢…覚えておかなくちゃいけないことじゃなくて、本当は忘れてもいいことだから忘れてるんじゃないかな？？？大切かそうでないかって話じゃなくてさ。何ていうか…過去に囚われなくてもいいって君の無意識下では分かってる、とか？？それに記憶なんて結構曖昧なものさ！！自分の主観が入る分事実と異なる時もあるだろ？？？？僕なんて小さい頃は……｣
ぐわんぐわんと身体の中で言葉が回っている気がする。続く計間の言葉ももう聞こえない。
結輝Aを支えているのは過去の記憶である。
自分は1人ではないと教えてくれるそれを信仰して今までやってきたのだ。
｢過去に囚われなくてもいい………俺の…記憶……｣
もはや信仰の域にまで達していた記憶の中の仲間の存在が揺らいでいる。自分から支えを捨てるのも、根本的に間違っていたと諦めることもAには難しすぎた。
どうしようもなく哀しくなって肩を抱く。ここ3ヶ月ほどでの気持ちの変化が大きすぎる気がする。呼吸などしないのに苦しさすら感じるのだ。
｢…大丈夫かい？？？つらい？？｣
柔らかなくるくるの髪が視界に映り込んだ。
｢…過去がどうであれ君が生きてるのは現在だ。そして現在はどんどん過去になっていく。だから難しく考えないで今を良く生きればしんどい過去も遠くなっていくんじゃないかな？？？？？ってこれ受け売りなんだけどね！！！｣
｢現在を……？？｣
｢そう！！｣
言い切ってにぱにぱと笑う計間。ゆっくりと撫でてくれる背中が暖かい。
｢……俺まだ処理が追いつかない…けど、過去をどうこうは難しいから…俺の事情で。でも今をより良くってのは凄く参考になる…から、ありがとう。｣
もう大丈夫、という気持ちを込めて緩く微笑んだ。
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あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
