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｢上々ですよ、お陰様で。まぁ体育祭出られたらもっと上々になりますけど。｣
要望は隠さず伝えるが無視される。パラパラとファイルをめくり遠見はこの前の観察でとったデータを参照する。
｢電話では雄英の施設であるUSJでの敵襲撃に際して砕けてるようだけど、その後体調に変化は？｣
｢ありません。欠片も全て集めてもらったみたいで記憶の欠如もありませんし…あ、家にある樹脂の量が減ってきたので帰りに欲しいです｣
了解、と返しファイルに書き足される。その後も質問が何個か続き特に問題もなく問診を終えた。
場所を変え演習場へと通される。そこでセンサーのついた模擬刀を手に何度も倒してきたシュミレート敵と向き合う。3D解析や刀のセンサーで動きのデータを一通りとったあと、またあの部屋に行く。
｢雄英での訓練が生かされてる。敵の軌道予測が上手くなったわね…キレもいいし防御もこなれてきた。｣
遠見の分析にはにかむ。相澤先生の動きを参考に放課後練習をしていたのだ。剣の所持許可願いは国に提出してあるが、免許が届くまでは徒手空拳で間に合わせるしかないが身近にプロヒーローがいるという強みは存分に活かすつもりである。
｢そういえばこの前ここに来た時出した刀剣の所持許可願い、まだ返ってきてないですか？｣
小首を傾げつつ問うとあぁそれ、と遠見が別のファイルを漁る。
目の前に出されたのはAが提出した書類とライセンスカード。顔が写ったそれには刀剣類所持許可証、と書かれている。
｢許可が降りたからと言って真剣が持てるわけじゃないわ。あくまでも模造刀だけど充分危険物だから取り扱いは慎重に。帰りに補充の樹脂と餞別があるから忘れないようにね。今までお疲れ様でした。｣
｢え？｣
淡々と遠見は告げたが今までお疲れ様とは仰々しい。餞別というのも別れ際のようである。
｢この度貴方の所属が国連直属からこの支部に移ったの…実質の解放よ。貴方の。雄英体育祭中はまだ直属の監査がついてるから毎年の本戦出場は許されないけど体育祭終了から4日後には監視も毎日の電話連絡も無くなるわ。まぁ2ヶ月に1度の検診には来てもらうけど…｣
あまりの衝撃に声が出ない。
これからもずっと続くと思っていた。正真正銘の自由となる嬉しさと妙な喪失感で押し潰される。
わかりました、と発した一言はAが思っていたより掠れていた。
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あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
