合格者 ページ13
藤の道を抜けると、見覚えのある場所に辿り着いた。
最初に最終選別を受ける人達が集まっていた場所だ。
あの時と違うのは、二十人程いた人達が自分達を合わせてたったの六人しかいないということ。
「……たったこれだけしか生き残らなかったんだ……………」
最初から八割程は命を落とすと予想はしていたが、いざそれを目の当たりにすると、悲しい気持ちになる。
感傷に浸っていると、ふと聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「君も生きてたんだな!」
「あっ鱗滝さんのとこの!君も無事でよかったあ…」
目を向けると、試験前に出会ったお面の少年がこちらに駆け寄るのが見えた。
どうやらお面は壊れてしまったのか付けてはおらず、お面が付けてあった場所には包帯が巻かれていた。
「私Aっていうの。約束が果たせてよかった!これから鬼殺隊の同期として一緒に頑張ろうね!」
「俺は竈門炭治郎。ああ、一緒に頑張ろう!」
会話に一区切りついた所で、突然二人の女の子の声が聞こえる。
いつの間にいたのか、案内人の少女達が山の入口に立っていた。
「皆様、お帰りなさいませ。」
「おめでとうございます、ご無事で何よりです。」
二人が交互に話し出す。内容を聞くと、どうやらこれからすることは四つ程あるらしい。
まず隊服が支給される。そのために体の寸法を測り、その後階級を刻む。
自分たちはまだ十段階あるうちの一番下の階級『癸』だそうだ。
その後、自らの命綱となる刀を作る玉鋼を選ぶ。
さらに鎹鴉という主に連絡用の鴉が付けられるそうで、少女達が手を叩くと鴉達が一斉に合格した人の元へと飛んできた。
「……え?鴉……?これ雀じゃね……?」
約一名鴉じゃない人もいるが、きっと鴉と同等の働きをするからこそこの場にいるのだろう。雀なのにすごいと思う。
「ギャアッ」
自分の所に飛んできた鴉と戯れていると、突然鴉の悲鳴が聞こえてくる。
声の方に顔を向けると、顔に傷のある少年が鴉を払い除けているのが視界に入った。
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希乃(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます!現在続きを執筆中ですのでしばしお待ちを…! (2019年5月20日 7時) (レス) id: 2c5a503106 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - とっても面白いです!続きも楽しみにしています! (2019年5月18日 23時) (レス) id: f66f75f695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:希乃 | 作成日時:2019年5月13日 16時