７ー９【終】 ページ12
テーブルに、薬と一緒にあったマグカップを見つける
袋にある用法用量を見て、キッチンにある水道で水を入れて戻る
せめて解熱剤だけでも飲ませて熱を下げてやらないと、かなり苦しそうだった
解熱剤は食後でなくとも、飲ませて問題はないようだった
だが気を失っているかごめに、どう飲ませるか・・・？
ぐっ
鬼太郎＞！？
突然、衣服が引っ張られた
顔を向けると、かごめの震える右手が服を掴んでいた
変わらず呼吸は荒い
鬼太郎＞どうした？
かごめ＞・・・っ、きた・・・ろ・・・。
その後、途切れ途切れに紡がれた４文字の言葉
鬼太郎＞！？・・・・・不可抗力、だからな。
解熱剤と水を自らの口に含んでから、かごめに覆い被さる
鬼太郎〈父さんがいなくてよかった・・・〉
と、切実に思った
ごく
飲み込んだ音がした
互いの熱が離れ、鬼太郎は口元を拭う
それから彼はずっとここにいた
２、３時間と言ったが・・・あれは嘘だ
鬼太郎がここに来たのは、もうすぐ夜を迎える頃だった
本当はもう５、６時間は経過していて、深夜を過ぎている
今目の前で眠っている彼女は、先程よりも楽に呼吸が出来ている
熱がある程度は引いたので、そのおかげだろう
はっきりと意識がなかったせいか、おそらく彼女は覚えていない
だが鬼太郎の耳にはしっかりと残っていた
初めて自分の名を呼んだ後の、４文字の言葉を
「た、す・・・けて・・・」
意識がある時に限って、彼女は未だに名前を呼ばない
助けも求めない
だから驚いたのかもしれない
熱による苦しみから逃れたかったのか、それともーー
どちらにしろ、死を恐れないと言ったはずの彼女が、助けを求める言葉を口にしたのは事実だ
妙にはっきりと聞こえたそれは、まだ鬼太郎の耳に残っている
意識がある状態では決して口にしないであろう、助けを求める言葉と名前
妖怪に対して疑心暗鬼になっているかと思ったが、どうやら少し違うらしい
かごめ本人も疑心暗鬼になっていると思っているようだが、これは人間不信ならぬ妖怪不信と言ったところだろう
信じたいが、信じられない
でなければ、すねこすりに気力を与えたりなどしないはず
ますますわからなくなった、かごめの本心
未だに呼ばれない、自分の名前
少し、イライラする
何も知らない、何も理解できない自分に
あなたには何もわからないーーそう叫ばれたのを思い出す
確かにそうだ、図星だ
鬼太郎＞なんなんだ・・・。
この苛立ちは、なんなんだーー
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ななか - 更新頑張ってください！ (2022年2月14日 13時) (
レス) @page45 id: ffd4f837c8 (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - ミサカさん、令和おめでとうございます！ 鬼太郎夢小説連載頑張って書いて下さい。 (2019年5月16日 10時) (レス) id: dd5aa67050 (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 次回楽しみにしてます！更新頑張って下さい！応援します！！\(одо)/ (2019年2月10日 1時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - こんばんは、ミサカさん、お元気ですか？ こちらは毎日元気にしています・・狸軍団の次回をお待ちしております！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: dd5aa67050 (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - はじめまして、とても面白かったです(*^^*)更新たのしみにしてますがんばってください (2018年11月26日 3時) (レス) id: 8802fb7331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサカ美琴 | 作成日時：2018年5月18日 2時
