絶対気付いとらんよね byこたつむり ページ25
センラSide
びっくりしたなぁ、Aくんが女子力高いなんて。
_____
「そう言えば、これ、要ります?」
そう言って差し出してきたのは食パンの耳のラスク。
綺麗に作られ、包装もされているし、とても美味しそう。
「これ、買ったん?」
「いや、作りました」
_____
って。
「あはは。
ははははは……」
「え"っ」
どんどん棒読みの笑いに変わっていく。
すると、喫煙所でまたAくんと鉢合わせ。
驚いたように固まるAくん。
こちらも驚き、同じ様に固まってしまう。
「あの、何か、すみません」
そう言ってそそくさと出ていこうとするAくんの手を掴む。
見逃すとまた会えなくなりそうで。
会おうとしたら逃げられてしまいそうやったから。
そんなのは建前で、瞬発的に手を掴んだだけ。
なんでとか、どうしてとか考えてないで。
「あの……?」
困惑した様に声をかけてくるAくんの声で我に返る。
「あ、ごめん。
ところでさ、Aくんは煙草吸いに来たんやろ?なんで出ようとするん?」
「ええと、推しと密室は、恥ずかしいので……」
何を話せばええんや……、と考えながら言葉を選ぶ。
喫煙室に来たってことは、煙草を吸いに来たって事だ。
じゃあ何で出ようと思ったんだろう?
不思議に思って訊く。
紅潮しながら応えてくれたけれど、言い切ったところで限界に達したのか、そっぽを向いてしまう。
耳まで真っ赤でかわええ。
そう思うと同時に、そんな事を考えてくれてたんか、なんて考えて、嬉しい気持ちになり、頬が緩んでしまう。
一日中頬が緩みっぱなし那気もするけれど。
「じゃあ僕が出るよ」
「いえ、センラさんが先にいたのでおれに譲って下さらなくでいいです」
「ええのええの。僕がやりたい事やし」
「いやっ、それでも……」
譲り合って膠着状態。
ぼくが出るかAくんが入るか。
最終的に折れたのはAくんやった。
僕はAくんのことが好きやけど彼が意識してくれていない以上、無理やりキスは出来ひんよな。
でもやりたいしなぁ。
ああ、ええことを思いついた。
シガーキスならセーフちゃうか?
「そういえばAくん、僕、シガーキスをやってみたいんよ。相手してもらってええ?」
「うっ……わかりました……」
思い付いたええことを実行するために、お願いする。
ほんまはリスナーやからといってこんな裏ワザは使いたないんやけど……。
彼に対して罪悪感は湧いてくるが。
絶対気付いとらんよね byこたつむり→←アンチまでも利用する。2 byこたつむり
2人がお気に入り
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月夜(プロフ) - 依吹さん» 了解です (2021年4月23日 22時) (レス) id: 257f10f00d (このIDを非表示/違反報告)
依吹(プロフ) - いっぱいになりました。 (2021年4月22日 23時) (レス) id: fd3e74f050 (このIDを非表示/違反報告)
依吹(プロフ) - 時林檎。さん» 急にどうしたんですか。筋トレにでもハマりました? (2021年4月22日 23時) (レス) id: fd3e74f050 (このIDを非表示/違反報告)
時林檎。 - 依吹さん» 筋肉は裏切らない (2021年4月22日 17時) (レス) id: dae35fe255 (このIDを非表示/違反報告)
依吹(プロフ) - 時林檎。さん» ほんとですか! ありがとうございます。ほんとごめんなさい (2021年4月19日 22時) (レス) id: fd3e74f050 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ