プロローグ8 ページ8
マタムネ「…この度はあなたにお願いがあって、この場を設けました。
初対面にも関わらず、強引な真似をしたことは今、この場でお詫び申す。」
立香「!…まぁ、きっと、訳があるんだよね。」
マタムネ「いかにも。それはもうまたたびも喉を通らぬ程の深い訳があります。」
立香「…話を聞く前に、一つ質問してもいいかな?」
マタムネ「はい。どうぞ。」
立香「…君と私は初対面だよね?どうして、私がカルデアのマスターだって知ってるの?」
マタムネ「お答えしましょう。あなた方のことは以前、紅閻魔女将の経営する迷ひ家「閻魔亭」でお見かけしたのです。」
立香「!あの時の……懐かしい…。」
マタムネ「小生は閻魔亭に何度か客として足を運んだことがあり、あなた方が閻魔亭を去ってからも、ぽつぽつと通っておりました。
あなた方が去ってからも、紅閻魔女将はそれはもう嬉しそうにカルデアのことを語ってくださった。
特に立香さん、あなたのことを。」
立香「!女将が…私のことを……ってことは、女将に推薦されたってこと?私が?」
マタムネ「いえ、これは悪魔で小生の判断。
そこに紅閻魔女将は関与していない。
そもそも、紅閻魔女将は頼りになるから、自分が助けてもらったから、などという理由で恩人をむやみやたらと他人に勧めるような軽薄な方ではない。」
立香「うんうん、確かにそうだ。
…いいよ、話、聞かせてほしい。
だけど、必ずしも絶対引き受けると答えられる保証はないよ。
私には待ってる人がたくさん居るし、私の代わりは居ないから。」
立香の真っ直ぐな眼差しに対し、マタムネは穏やかな表情で頷いた。
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時