愛しい君1 ページ37
***
「ん…眠ってしまったか…」
どれくらいか時間が経って、赤井が目を覚ました。
二人とも裸のまま、1枚の毛布に一緒にくるまっていた。
(そうだ。あのまま…りおを抱いて…)
ずいぶん激しく抱いてしまった記憶がある。
ふと見ると、白いりおの肩が毛布から出ていた。
キレイな肌のいたるところに赤い花が咲いている。
(後で怒られそうだな…)
顔を赤くして文句を言う姿を想像して笑った。
りおの肩に触れると少し冷たい。そっと毛布を引き上げて肩にかけてやる。
赤井は起き上がると、小さくなってしまった囲炉裏の火に薪を足した。
パチパチパチ…
再び炎が大きくなり、薪の燃える音が小屋の中に響く。
ザーーザーーという激しい雨の音も聞こえていた。
「ん…」
赤井が声のした方を見ると、りおの目がゆっくりと開いた。
「りお?」
「ん…しゅ…いちさ…? 今何時?」
「深夜の1時だよ」
スマホを見て赤井は答えた。
「何…してるの?」
「囲炉裏の火が小さくなったから、薪を足したんだ。部屋がちょっと寒かったから」
「裸…だからじゃ…ないの?」
「ああ、それもあるか…」
ふっと笑ってりおの顔を見た。
「お前も裸だけどな」
「え? あ!!」
寝落ちる前のことを思い出し、りおは顔を赤くする。
「今更恥ずかしがらなくても良いだろう?
今日のお前はずいぶんと積極的だったじゃないか。お陰で俺もそそられた」
何ならもう一回するか? と言われて、りおは毛布をかぶってしまった。
「も、もう! からかわないでよ!」
貝のようになって文句を言った。
「からかってなんかいないさ」
赤井はりおに近づく。スキを突いて毛布をめくった。
「あ…」
毛布を取られ、一糸まとわぬ姿を晒されたりおは体を丸めた。
「俺は何度だってお前を抱きたいし、出来る事ならこの腕に抱きしめて、閉じ込めておきたいとさえ思っている。
案外独占欲が強いんだ」
赤井はそう言いながら、りおの肩にキスをする。
「『お前のすべてを俺の物にしたい』といつも思っているんだよ…。
あさましい男だと軽蔑するか?」
「…い…よ」
「ん?」
「…しない…よ。いっそ秀一さんのものにして…って…言ったら…軽蔑…する?」
「お前…俺を煽ってるのか?」
赤井はりおの肩を押し仰向けにさせた。
「すまん。手加減できないぞ」
123人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:aki | 作成日時:2020年1月3日 13時