ペリドットとアンバーvol.5【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】 (ページ24)

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オドゥムの目的１ページ24

　夜になり、少し食事もとれるようになった。
落ち着きを取り戻してきていたので、昴はいよいよ今回の事件の核心をりおに話すことにした。

　「りお、現段階ではまだ証拠が足りず憶測の域を出ませんが、おそらくこれが核心です。
聞きますか？」
りおは真剣な面持ちで頷いた。

　「今回の全容は『C国がアメリカに牙を向ける』ための布石です。
C国にとってアメリカはまともに戦って勝てる相手ではありません。
そのために、C国はエンジェルダストを使ってテロを起こす殺人兵器を何十人、何百人規模で
日本に配置し、文字通り日本を人質にしてアメリカを攻撃するつもりです。
つまり、アメリカを黙らせるために、日本でいくつもテロを起こす。
そのために奴らはエンジェルダストを手に入れたいんですよ」
恐ろしい計画にりおは息を飲む。

　だからあの時自分を襲った刺客は「愛する将軍様にこの国を献上する」と言っていたのか。
オドゥムは事実上、C国直属の組織というわけだ。

　ジンにはああ言ったものの、ギムレットレポートが削除された証拠はまだ何も掴んでいない。
どこかにまだ存在している可能性もゼロじゃない。

　そこでりおは一つ思い当たる事があった。
確か、ギムレットは解毒薬を開発しようとしていたはずだ。

　『ギムレットが作っていた未完成の解毒薬を完成させることはできないの？』
りおは手話で問いかけた。
その質問に昴は首を横に振る。
「作動薬と拮抗薬は化学構造が類似しているんですよ。
作動薬を作れる者しか拮抗薬は作れないでしょう。
つまりレポートを持つ者か、ギムレット本人しか作れないのです」
解毒薬を作るにも、レポートが必要…。
全てに手詰まりだ。
あとはレポートが削除されている事実を突き止めるしかない。
ピリリとした緊張がりおの体に走る。

　「慌てるな」
声は昴だったが口調は赤井になっていた。
昴はりおの様子を見て、ため息を一つついた。