検索窓
今日:18 hit、昨日:104 hit、合計:492,617 hit

涙そして決意9 ページ48

 「さくらが本当に…『守りたいものがある』といったんですか?」
今度は昴が新出に問いかけた。

「ええ。もうお気付きになりましたね。
彼女の中で何かが変わろうとしています。良い方向にね。
きっとそうさせたのは、あなたや阿笠博士、哀ちゃん、そして安室さんのおかげですよ」
安室は自分の名前まで出てきて正直驚いた。
自分は彼女に何も出来ていないのだから。


 「そんな彼女の気持ちに答えて、治療を行っていきたいと思うのですが。
一つ彼女に条件を出しました」
新出がようやく表情を緩め、昴に微笑んだ。
「沖矢さん、あなたに立ち会っていただきます。それと場所はここで行います」
「ここで私も立ち会うのですか? それは構いませんがいったいなぜ?」
てっきり病院で行うと思っていた昴は、小首を傾げた。

 「ここ数回の発作時のあなたの処置が素晴らしいからです。
おそらくあなたがそばにいなければ、彼女は大怪我をしていたかもしれません。
治療時、大きな発作を起こす可能性は十分あります。
最善の策を知っているあなたがいるのは心強い。
また、あなた達が勝手がわかるこの場所の方が、医院より安全だと判断したからです」
「そういうことなら。喜んでお引き受けします」
「良かった」
先生は安堵の表情を浮かべる。それもすぐ真顔になり、こう続けた。

 「ただし…。あなた自身も覚悟をしておいてください。
彼女の中にある闇を全て受け止める覚悟です。私も…そのつもりでいますから」
もとよりそのつもりだ。
小さく、しかし力強く昴は頷いた。
そこまで話すと新出は「今日は帰ります。明日また来ます」といって玄関に向かった。


 「心配なのは彼女の体です。今日ずぶ濡れになってしまって風邪をぶり返して
しまったようです。肺炎の疑いもあります。
抗生剤が効いてくれるといいのですが…」
何かあれば連絡くださいといって、新出は安室とともに工藤邸を出て行った。

涙そして決意10→←涙そして決意8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (112 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
490人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。