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限界を迎えて5 ページ23

 「昴さん、朝よ」
哀の声で目を覚ます。
どうやら自分も眠ってしまったらしい。
時計を見ると朝の5:00になろうとしていた。
さくらはよく眠っているが、全身汗まみれだ。
熱が下がってきたのだろう。

「学校行く前にさくらさんの体を拭いて着替えをさせていくわ。
博士と昴さんに任せるわけにはいかないから」
そう言って昴を部屋から追い出す。
ベッドの下にはお湯を入れたポットと洗面器、バスタオルと着替え、そして真新しいシーツが
用意されていた。


 哀にさくらをお願いしている間に、昴は顔を洗い歯を磨く。
変装は……おかしなところは無い。
顔を拭いて鏡の中の自分を見つめる。
自身の唇にそっと触れた。
真夜中——
意識を取り戻したさくらに口移しで水分を与えたとき、喉がカラカラだった彼女は、まるで食いつくかのように昴の唇から水分を奪っていった。
正直、どんな情熱的なキスよりも感じてしまっていた。
もっともっとと思ったのは自分も一緒だった。
ハッと我に返ると、鏡の中に少し赤くなった自分の顔…。
(ティーンじゃあるまいし…)
屋や動揺している自分に驚きつつ、フィッと視線を逸らした。



1時間ほどでさくらの身支度はキレイに整えられた。
さすがに疲れたのか、さくらは眠っている。
熱もだいぶ下がり、37度台後半まで下がっていた。

 キッチンでは博士が3人分の朝食とさくらの分のお粥を作ってくれていた。
さくらが眠っている間に3人で朝食を取る。
朝食を食べながら、今日の予定を共有した。
午前中はなんとか彼女にお粥を食べさせ、午後は新出先生の診察を受けさせることにした。


 組織のメンバーである彼女が体調不良であること、阿笠博士・沖矢昴との接点を知られること、その二つのことを表沙汰にするのは今の時点では控えたほうがいい。
昴の判断から往診を頼んだ。

 熱の方は数日あれば良くなるだろう。
だが熱が下がったからといって、彼女の病気が治るわけではない。
むしろ下がってからが本番だ。
正直、さくらが心身ともに限界であることは、誰の目から見ても明らかだ。
しっかりと治療をする必要があるだろう。
自身のトラウマと向き合い、発作を起こす原因を深く知り、自身のそのときを振り返る。
長く険しい道のりだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時

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