検索窓
今日:58 hit、昨日:58 hit、合計:492,715 hit

限界を迎えて1 ページ19

 ドアを開けると哀がさくらの額に冷たいタオルを乗せていた。
「ずっと食事も喉を通らなかったのかしら?
免疫力が落ちてしまっているみたい。呼吸が少し速いから熱を測ったら…」
そう言って体温計を昴に手渡す。
「38.8℃…。迷惑をかけてしまってスミマセン。」
昴が小さな声で謝った。
哀はため息をつき、今に始まったことではないけどねと言って昴の方に向き直る。

 「で、彼女は一体何者なの?」
昴は観念したというようにため息をつくと、今までのいきさつを哀に話した。



 組織のメンバーと聞いた瞬間、哀の表情が緊張で引きつったが彼女がNOCと知り、安堵の表情を浮かべる。
ここまでは自分がライであり、赤井であることは一切触れていない。
それでも状況は正しく伝わったのか、できる限りの事はするわと言って部屋を出て行った。
時計を見れば深夜を回ろうとしていた。

 哀と入れ替わるように阿笠博士が部屋に入ってくる。
熱が高いので水分を取らせるようにと言って、ミネラルウォーターとポカ○○エットを持ってきてくれた。
礼を言って昴は受け取る。
博士はコナンを送り届ける際に事情を聞いたようだ。
切なそうな顔をしてさくらの顔を見つめる。

 「運命とは…」
博士が突然話し出す。
「運命とは時として残酷じゃな…」
それはさくらだけではない。
哀もコナンも、全てを指しているのだろう。
容易に想像できるほど博士の声は寂しげに響いた。
「ええ」
昴は静かに答える。
「ですがみんな、その運命と真正面から向き合える強さを持っています。
私はそれを信じたい」
昴の目は開かれていた。
グリーンの綺麗な瞳には強さが宿る。
それを見て博士は微笑んだ。
「そうじゃったな!」
その言葉にはいつも以上に力が込められていた。



 「しばらくわしがついててやるから、昴くんはシャワーを浴びてくるといい」
博士の提案にありがたく頷く。
博士に彼女を頼み、一旦工藤邸に戻った。
シャワーの後変装をどうするか考えたが博士の家に戻るため、再び変装することにした。
いつどのタイミングで哀が部屋に入ってくるか分からないからだ。

限界を迎えて2→←運命の再会7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (112 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
490人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (7月8日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 限界を迎えて5、麻じゃなくて、朝です。 (7月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。小説は書いて消しての繰り返しです。全然書けない日もあったり、タイピングが間に合わない程言葉が溢れたり。そういう時に変換ミスが出やすいです。気を付けていますが書くのも校正も1人ですから気付かぬことも多いです。 (7月6日 23時) (レス) id: 30aa1f0c8d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会4、洗出じゃなくて、新出です。何故、一ヶ所だけ誤変換があるのですか。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 運命の再会3、徹じゃなくて、 透です。 (7月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:aki | 作成日時:2019年7月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。