ペリドットとアンバー【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】

はじまり２ ページ2

６月のある日———

　ポアロでのシフトに入っていた安室透のスマホにメールが届く。
ジンからだった。
３日後にとある暴力団と組織が取引を行うという。
だが、その暴力団最近金回りが良いらしい。
一暴力団で動かせる額ではない金額が動いているという。
バックに何かあるかも知れないため、取引の日までに諜報活動をするよう指令が下る。
しかも今回はベルモットではなく、コードネーム；ラスティーという人物と組めとのことだった。

　ラスティー……組織内で何度か顔は合わせたことがある。
若い女性だった。
任務で組んだことは今まで一度も無く、どちらかというと任務の伝達や必要な道具の調達で一瞬会うくらいだった。
ジンの考えていることが良くわからない。
しかし東都水族館の一件で荒れているとは聞いていたので、新たな監視役として宛てがわれるのだろうと予想は付いた。

その日の夜———

　ラスティーと落ち合う。
米花町から４駅ほど離れたカフェで待ち合わせた。
そこでそれぞれ飲み物をテイクアウトで頼んだあと、安室のRX-7に乗り込み、場所を変える。
車の中で今回の暴力団の情報をラスティーから聞いた。
ここからそう離れていない港の倉庫の一つに今回の暴力団が使っている倉庫がある。
その中を二人で調べることになった。

　二人共黒いパーカーやジャケットを羽織り、黒い帽子をかぶる。
倉庫から少し離れた場所に車を停め、目的地まで歩いた。
倉庫には見張りがいたため、無人だった隣の倉庫から屋根に上がり、上から侵入した。
そっと建物内に入り二人で様子を伺った。


　中には男が５人ほどいた。
さくらはその男の顔の中に、見知った顔があることに気づく。
会話が聞こえるところまで移動し、内容に聞き耳を立てた。
どうやら中国語をしゃべっているようだ。
そして一人の男の手には小さめのクーラーボックスがあり、何やら会話をしたあと、５０００万ほどはあろうか…。
現金の入ったジュラルミンケースとクーラーボックスを交換し、握手をして別れた。
安室は中国語がほとんど分からない。
だが会話を聞いていたラスティーが青い顔をして震えていた。

　

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