とんでもねぇ炭治郎 ページ18
「っ....!」
紅潮させた赤い顔を、バッと手の甲で隠した炭治郎。
(うわ、やべっ!)
その僅か二秒にも足らない程の素早い行動を見て、俺はようやく我に返ると慌てて乗せてた手をどける。
いや何やってんの俺!?
「ごごごごめんな!?そうだよな嫌だよな撫でられんの!!」
これやられる方が恥ずかしいって言ったの俺じゃん!何してんだマジで!!
いくら炭治郎が偉すぎて尊くて優しくてその他諸々だからってやられて嫌な事すんなよ最低だな!!!(お前だよ)
「あの、そう!心配!心配してくれて嬉しいなって思ったら手が勝手に出てて!悪かった本当にごめん反省してます!」
「...!」
もはや敬語なのかそうじゃないのか自分でも分からないほどのテンパリを見せつつ、終始しどろもどろになる俺。
下手したら撫でられる以上に恥ずかしい事言ってるかもしれないどうしよう。
「あ、あの!」
「ヘァイ!」
なんて悩みまくっていると、急に照れていた炭治郎に声をかけられる。てかヘァイて。
我ながらどう発音したんだ俺は。
「すみません、変な態度とっちゃって、」
こういうのあまり慣れてなくて....。
そう尚も恥ずかしそうに言う炭治郎に、俺はですよね!とばかりに内心で頷く。
そうなんですよね。これやられると恥ずかしいんですよね。ホントごめんなさい...ッ!
初対面の同世代が急に頭撫でてくるとかかなりなんだコイツ状態だよな....。
俺なら真っ先にヤバい奴認定するわ。
「そっちは何も....むしろ俺の方が嫌な事したと言いますか.....」
ただでさえ長男説解いてる炭治郎だもんなぁ....。口にすればするほど申し訳ない。
そう思っていた途端。
俯いていた炭治郎が、がばりと顔を上げてきて。
「嫌だなんてそんな!むしろ──っ」
けど何かを伝えようとするも、大事な所で続けるのをやめてしまう。
....これは聞き返す所だろうか。
いやでもこれで「むしろ気持ち悪すぎて最悪でした!」なんて言われた日にはもう。
「.....むしろ?」
とはいえやっぱり止めた語尾が気になり、俺はもう嫌われてもいい精神を心に宿すとその先を促す。
──だが、実際に返って来たのは俺の予想と反対の言葉で。
「嫌、じゃなかったと言いますか....」
「え」
「ただ、は、恥ずかしくて......」
視線を外し、一層赤くなった顔を片手で覆いつつ戸惑いを見せる炭治郎。
そんな彼に、俺は声も出ずただただその場にピシャリと固まる。
待っって今これ何の時間ですか???
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みかん - もう公開はしないのでしょうか…凄く見たい…また公開にするような機会があることを願ってます!非公開にした理由が深いのなら作者様はこのコメント無視して頑張ってください!! (2022年1月9日 12時) (レス) id: bc2584c695 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 素晴らしいの一言に尽きます...素敵な作品で楽しく読ませていただきました。最新頑張ってください。陰ながら応援してます...(´∀`) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 000b312b5b (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - まだ(# ゚Д゚) (2020年3月10日 17時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 続きまだ? (2020年2月29日 20時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
佐藤悠真(プロフ) - 微笑ましいに尽きますね。いつもホワホワしながら読まさせていただいております。更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: 44efc3fddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Syu | 作成日時:2020年1月16日 21時